テクノロジー株投資の代表的なレバレッジETFであるTQQQとTECLについて説明するブログです。
これらの商品の特徴や違い、リスクとリターンのバランスなど投資家の皆様にとって有益な情報を提供できると考えています。
また、長期投資に向かない理由も参考にして下さい。
記事のポイント
- TECL、TQQQの概要
- TECL、TQQQのパフォーマンス比較
- 長期投資に向かない理由
1. TQQQ、TECLとは
TQQQの概要
TQQQ(ProShares UltraPro QQQ)は、NASDAQ 100に基づく3倍レバレッジETFです。
設定日は2010年2月11日です。
このETFは、NASDAQ 100の値動きの3倍を目指しており、投資家にとってはテクノロジー株を中心にした成長の機会を提供します。
主な構成銘柄には、アップル、マイクロソフト、アマゾンなどの大手テクノロジー企業が含まれ、情報技術セクターのウェイトが圧倒的に高くなっています。
- 情報技術:約50%
- 通信サービス:約16%
- 一般消費財:約14%
TQQQの構成銘柄と比率(2024年11月12日)上位10銘柄
100銘柄のため、1銘柄あたりの比率は比較的低くなっています。
TECLの概要
一方、TECL(Direxion Daily Technology Bull 3X Shares)は、S&P 500のハイテクセクターに対して3倍の値動きを追求するETFです。
設定日は2008年12月17日です。
TECLは特に成長性の高いテクノロジー企業に焦点を当てており、ほぼ100%が情報技術に関連した企業です。
主な構成銘柄は、アップルとマイクロソフトに加え、最近エヌビディアも大きなウェイトを占めています。
- 情報技術:ほぼ100%
TECLの構成銘柄と比率(2024年11月12日) 上位10銘柄
上位3銘柄で30%近くの比率になっています。
2. TQQQとTECLのパフォーマンスの比較
2008年12月から約16年の比較
2008年12月17日(TECL設定日)から2024年11月12日までの16年弱のパフォーマンス比較です。
青:TECL
黄色:TQQQ
引用:Google Financeサイト
過去5年の比較
2024年11月12日までの過去5年のパフォーマンス比較です。
青:TECL
黄色:TQQQ
引用:Google Financeサイト
過去1年の比較
2024年11月12日までの過去1年のパフォーマンス比較です。
青:TECL
黄色:TQQQ
引用:Google Financeサイト
過去半年の比較
2024年11月12日までの過去半年のパフォーマンス比較です。
青:TECL
黄色:TQQQ
TQQQとTECLは相関性のある値動きをしています。
TECLの設定来(2008年12月17日)から約16年、過去5年の比較ではTECLがTQQQを上回ってます。
逆に過去1年、過去5年の比較ではTQQQのパフォーマンスがTECLを上回っています。
全体を通じて言えることとして、TECLは、S&Pの情報技術ほぼ100%で構成されているため、ボラティリティが、TQQQに対して激しくなっていることです。
上昇相場では、大きなリターンを得られる反面、下落相場での資産損失は大きくなっています。
また、TECLの構成比率は2023年ぐらいまでは、アップルとマイクロソフトで40%を超える状況でした。
ただ、最近ではエヌビディアの比率が上昇し、アップル、マイクロソフト、エヌビディアがそれぞれ10%付近の比率になっています。
値動きの激しいエヌビディアの比率が増えたことで、TECLのボラティリティがより大きく変化してきています。
以下の表に両ETFの特徴をまとめました。
TECL | TQQQ | |
---|---|---|
特徴 | 情報技術はほぼ100% | 情報技術は約50% |
1年トータルリターン | 77.53% | 104.56% |
3年トータルリターン | 7.73% | 0.89% |
5年トータルリターン | 37.32% | 35.63% |
設定日 | 2008年12月17日 | 2010年2月11日 |
結論
両ETFとも高ボラティリティですが、より高いリターンを求める方はTECLの選択が良いでしょう。
ただし、どちらを選択しても、リスクを受け入れる覚悟が必要です。
少額での投資や短期間での投資をするべきだと思います。
3. TQQQとTECLは長期投資に向かない
TECL、TQQQは3倍のレバレッジETFですが、その欠点から長期投資には向かないと思います。
その理由を見ていきます。
レバレッジETF投資の欠点
高リスク
レバレッジETFはその特性上、高いリスクを伴います。
市場が下降トレンドに入った時には、投資資金が急激に減少する可能性があります。
レバレッジを利用しているため、特に市場の大きな下落時には普通のETFよりも影響を受けやすくなります。
長期保有による指標との乖離
レバレッジETFを長期間保有すると、基準となる指数との間にズレが生じることがあります。
これは、ETFが日々の価格変動に基づいて運用されるため、長期的に見ると想定した利益が得られないことがあるからです。
経費率の高さ
従来のETFと比べて、レバレッジETFは経費比率が高い場合が多く、特に長期投資を行う際にそのコストが利益を圧迫する可能性があります。
従って、横ばいの市場環境では損失リスクを増大させる要因ともなります。
再投資の手間
レバレッジETFは、利益を自動的に再投資する仕組みが整っていないため、投資家が手動で再投資を行う必要があります。
このため、複利効果を最大限に活用することが難しく、投資信託などと比べた際のデメリットとなります。
総括すると、レバレッジETFによる投資は高い利益を狙える一方で、リスクも伴うため、十分な知識を持って慎重に検討することが求められます。
以上のような欠点からTECL、TQQQなどのレバレッジETFは長期投資に向かないと言えます。
何より、大きな下落後、上昇相場になりながら損失がなかなか回復しないことは精神的に厳しい状況に追い込まれます(対象指数との乖離)。
TECL TQQQ 比較 について総括
- TQQQは幅広いテクノロジー企業に投資
- TECLはよりハイテク企業に特化
- 長期でのリターン:TECL>TQQQ
- ボラティリティ:TECL>TQQQ
- 少額投資や短期間投資向き