FANG+とマグニフィセント・セブン(M7)について、その組入銘柄と比率、運用パフォーマンスを比較してみましょう。
これらの大手テクノロジー株への投資は魅力的ですが、それぞれの特徴を理解することが重要です。
本ブログではこの2つの投資対象についてそのリスク面など多角的に解説し、投資判断の一助となる情報を提供します。
- 両ファンドの組入銘柄、比率
- 両ファンドのパフォーマンス比較
- 両ファンドをリスクの観点から比較
1. FANG+とは
FANG+(FANG+指数)は、アメリカの大手テクノロジー関連企業を中心とした株式指数です。
この指数は、Facebook(現Meta Platforms)、Amazon、Netflix、Googleの4社に加えて、さらに6つのテクノロジー企業で構成されています。
四半期(3・6・9・12月)ごとに等金額となるようリバランスを実施 信託報酬は0.7755% (税込み) 2018年1月31日設定 |
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FANG+の組入銘柄と比率
以下の図は2018年1月31日設定後に行われた銘柄入れ替えです。
2022年12月に中国の大手企業は除外されています(アリババ、バイドゥ)。
直近の銘柄入れ替えは2024年9月20日に実施されました。
- 新規採用 クラウドストライク、サービスナウ
- 除外 テスラ、スノーフレーク
2024年11月29日時点の組入銘柄と比率です。
*大和アセットマネジメント株式会社月次レポートより引用
2. マグニフィセント・セブンとは
マグニフィセント・セブン(M7)は、アメリカの株式市場を代表する大型テクノロジー株式の7銘柄を指します。
正式名称は「米国大型テクノロジー株式ファンド」で、愛称として「マグニフィセント・セブン」と呼びます。
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このM7銘柄は、アメリカの市場を牽引する企業であり、インデックス投資で人気のS&P500やNASDAQなども、実質的にはM7銘柄の動向に影響を受けています。
マグニフィセント・セブンという名称は、これらの大型テクノロジー銘柄から派生したものであり、特定の企業を恣意的に入れ替えるものではありません。
ただし、頻度は非常に低いと思われますが、マグニフィセント・セブンの銘柄構成は状況によって変更される場合もあります。
マグニフィセント・セブンの組入銘柄と比率
M7の各銘柄には、等金額で投資することを基本とします。時価変動に伴い原則として半期ごとに等金額への調整(リバランス)を実施します。
2024年11月29日時点の組入銘柄と比率です。
*三井住友トラスト・アセットマネジメント月次レポートより引用
なお、マグニフィセント・セブンへの投資は、一部セクターへの偏りが生じる可能性があります。
これまでは情報技術関連や通信などが中心でしたが、新しいマグニフィセント・セブンでは、情報技術以外の銘柄が選ばれることも考えられます。
マグニフィセント・セブンは、その成長力や爆発力を重視する投資対象として捉えられています。
一方で、金融銘柄やヘルスケア銘柄なども含む新たな銘柄が導入されることがあるかもしれませんが、それらの銘柄に対して同じようなパフォーマンスを期待できるかは疑問が残ります。
3. FANG+とマグニフィセント・セブンの比較
両者は人気のある投資先ですが、それぞれに特徴があります。FANG+とマグニフィセント・セブンについて詳しく比較していきます。
組入銘柄の比較
まず、FANG+とマグニフィセント・セブンとの大きな違いとして、テスラ、ブロードコム、ネットフィリックス、クラウドストライク、サービスナウが含まれているなどうかです(M7のテスラ以外の6銘柄は両者とも共通の銘柄です)。
FANG+は1から10までの銘柄です。マグニフィセント・セブンは青字(1から6、⑦)の銘柄です。
- AAPL
- NVDA
- META
- GOOGL (Alphabet)
- MSFT
- AMZN ⑦.TSLA
- AVGO
- NFLX
- CRWD 🆕
- NOW 🆕
ボラティリティの非常に高いテスラが含まれているか否かで、今後のパフォーマンスにどう影響するか注目です。
1銘柄あたりの比率の比較
FANG+とマグニフィセント・セブンともに各銘柄には、等金額で投資することを基本としています。
そのため、基本の銘柄比率は次のようになります。
- FANG+ → 1銘柄あたり約10%(10銘柄のため)
- マグニフィセント・セブン → 1銘柄あたり約14.3%(7銘柄のため)
そのため、マグニフィセント・セブンがより特定の銘柄への依存度が高くなります。
運用パフォーマンス
FANG+のパフォーマンス
FANG+の設定日(2018年1月31日)から2024年10月31日のパフォーマンスは下図のようになっています。
FANG+は他の指数に比べて大きく上昇していますが、注意が必要な点もあります。
例えば、2022年の下落相場ではFANG+も大きく下落しました。2024年7月にも大きな下落を経験
しています。
*大和アセットマネジメント株式会社月次レポートより引用
マグニフィセント・セブンのパフォーマンス
下図は、マグニフィセント・セブンの設定日から2024年9月20日までのパフォーマンスです。
マグニフィセント・セブンは、設定日から小幅上昇しています。
これは、マグニフィセント・セブンがFANG+に比べて投資対象をより限定しているためです。
FANG+はテクノロジー関連企業に特化して投資している一方、マグニフィセント・セブンではM7銘柄に集中しています。
M7銘柄は一部を除きテクノロジー関連企業ではないため、成績に差が生じる可能性があります。
*三井住友トラスト・アセットマネジメント月次レポートより引用
2銘柄パフォーマンス比較
次に、FANG+とマグニフィセント・セブンのパフォーマンスを同時に表記したものを見ていきます。
マグニフィセント・セブン設定日(2024年3月22日設定日)から2024年12月27日までの比較です。
赤色がFANG+ 青色がマグニフィセント・セブン |
FANG+とマグニフィセント・セブンのパフォーマンスを比較してみると、対象期間は短いですが、マグニフィセント・セブンの方が良い結果が出ています。
2024年7月上旬からの下落はありましたが、2ファンドとも大きく上昇しています。
4. リスクの比較
両銘柄とも等金額での投資を基本としています。
ただ、FANG+10銘柄に対してマグニフィセント・セブンは7銘柄のため、特定銘柄への依存度が高くなります。
さらに、マグニフィセント・セブンは半期ごとのリバランスのため、特定銘柄への構成比率が大きく乖離する可能性があります。
結果、マグニフィセント・セブンは特定銘柄への依存度、構成比率の乖離の可能性大により、よりリスクが高くなると思われます。
対して、FANG+は10銘柄で分散されているのに加え、四半期ごとのリバランスであるため、構成比率の乖離はマグニフィセント・セブンに対して少なくなると予想されます。
さらに、FANG+は主軸6銘柄【Facebook(現Meta Platforms)、Amazon、Netflix、Google Apple、Microsoft】以外の4銘柄は頻繁に入れ替えが行われます。
この点も、リスクを抑えていると思います。
まとめ
信託報酬はFANG+が0.7755%、マグニフィセント・セブンは0.594%とマグニフィセント・セブンが優れています。
FANG+はマグニフィセント・セブンに対して、分散効果、リバランスにより比較的ローリスクのファンドと言えると思います。
ただ、マグニフィセント・セブンはリスクは大きいものの、銘柄の少なさから情報収集や管理が比較的容易ではあります。
また、特定の銘柄への依存度の高さは、ボラティリティも高くなりますが大きな成長余地があるとも言えます。
どちらを選択するべきか
両ファンドともその銘柄数の少なさ、現在の投資先がテクノロジー関連企業に限られているため、大きなリターンを期待できる反面、リスクも伴います。
投資先選定において、リスクの観点は非常に重要です。想定外の資産損失は精神的に耐えがたいものです。
そのリスクを受け入れた上で、より大きなリターンを狙う方はマグニフィセント・セブンの選択がいいのかもしれません。
ただし、マグニフィセント・セブンは短期から中期投資まで、若しくは少額でのサテライト投資にとどめるべきかなと思います。
FANG+投資でも、テクロジー関連の成長を十分に取り込めるでしょう。
FANG+ マグニフィセント・セブン 比較 について総括
- 両ファンドとも等金額投資である
- FANG+は10銘柄、四半期ごとのリバランス、4品目頻繁入替
- マグニフィセント・セブンは7銘柄、半期ごとのリバランス、入替ほぼなし
- パフォーマンスはマグニフィセント・セブン>FANG+の可能性高い
- FANG+はマグニフィセント・セブンに対して、ローリスクのファンドと言える
- テスラ:マグニフィセント・セブンに含まれるが、FANG+は除外(2024年9月)
*投資を検討する際には、自身のリスク許容度に合わせた判断を行うことが重要です。
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