FANG+とマグニフィセント・セブンの徹底比較

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FANG+とマグニフィセント・セブンについて、その組入銘柄と比率、運用パフォーマンスを比較してみましょう。これらの大手テクノロジー株への投資は魅力的ですが、それぞれの特徴を理解することが重要です。本ブログではこの2つの投資対象について多角的に解説し、投資判断の一助となる情報を提供します。

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1. FANG+とは

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FANG+(FANG+指数)は、アメリカの大手テクノロジー関連企業を中心とした株式指数です。この指数は、Facebook(現Meta Platforms)、Amazon、Netflix、Googleの4社に加えて、さらに6つのテクノロジー企業で構成されています。

FANG+の組入銘柄と比率

2018年1月31日に設定されており、FANG+は四半期(3・6・9・12月)ごとに等金額となるようリバランスを行ないます。

2024年6月28日時点の組入銘柄と比率です。

*大和アセットマネジメント株式会社月次レポートより引用

以下の図は設定後に行われた銘柄入れ替えです。

中国の大手企業は除外されています(アリババ、バイドゥ)。

2. マグニフィセント・セブンとは

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マグニフィセント・セブン(M7)は、アメリカの株式市場を代表する大型テクノロジー株式の7銘柄を指します。

2024年3月22日設定開始しており、各銘柄には等金額で投資することを基本とします。時価変動に伴い原則として半期ごとに等金額への調整(リバランス)を実施します。

このM7銘柄は、アメリカの市場を牽引する企業であり、インデックス投資で人気のS&P500やNASDAQなども、実質的にはM7銘柄の動向に影響を受けています。

マグニフィセント・セブンという名称は、これらの大型テクノロジー銘柄から派生したものであり、特定の企業を恣意的に入れ替えるものではありません。ただし、マグニフィセント・セブンの銘柄構成は状況によって変更される場合もあります。

マグニフィセント・セブンの組入銘柄と比率

M7の各銘柄には、等金額で投資することを基本とします。時価変動に伴い原則として半期ごとに等金額への調整(リバランス)を実施します。

2024年6月28日時点の組入銘柄と比率です。

*三井住友トラスト・アセットマネジメント月次レポートより引用

引用 三井住友トラストアセットマネジメント 月次レポート

なお、マグニフィセント・セブンへの投資は、一部セクターへの偏りが生じる可能性があります。これまでは情報技術関連や通信などが中心でしたが、新しいマグニフィセント・セブンでは、情報技術以外の銘柄が選ばれることも考えられます。

マグニフィセント・セブンは、その成長力や爆発力を重視する投資対象として捉えられています。

一方で、金融銘柄やヘルスケア銘柄なども含む新たな銘柄が導入されることがあるかもしれませんが、それらの銘柄に対して同じようなパフォーマンスを期待できるかは疑問が残ります。

3. FANG+とマグニフィセント・セブンの比較

両者は人気のある投資先ですが、それぞれに特徴があります。FANG+とマグニフィセント・セブンについて詳しく比較していきます。

組入銘柄の比較

まず、FANG+とマグニフィセント・セブンとの大きな違いとして、ネットフリックス、スノーフレイク、ブロードコムが含まれているなどうかです(M7の7銘柄は両者とも共通の銘柄です)。

  • FANG+ → 含まれている
  • マグニフィセント・セブン → 含まれていない

1銘柄あたりの比率の比較

FANG+とマグニフィセント・セブンともに各銘柄には、等金額で投資することを基本としています。

そのため、基本の銘柄比率は次のようになります。

  • FANG+ → 1銘柄あたり約10%(10銘柄のため)
  • マグニフィセント・セブン → 1銘柄あたり約14.3%(7銘柄のため)

そのため、マグニフィセント・セブンがより特定の銘柄への依存度が高くなります

運用パフォーマンスの比較

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FANG+インデックスのパフォーマンス

FANG+インデックスは、2018年の設定来からのパフォーマンスが約350%となっています。

これは非常に高い成績です。具体的には、2018年からのパフォーマンスは下図のようになっています。

FANG+インデックスは他の指数に比べて大きく上昇していますが、注意が必要な点もあります。

例えば、2022年の下落相場ではFANG+インデックスも大きく下落しました。

*大和アセットマネジメント株式会社月次レポートより引用

マグニフィセント・セブンのパフォーマンス

マグニフィセント・セブンは、設定日から大きく上昇しています。

ただ、FANG+インデックスにやや劣る結果となっています。(2024年3月22日設定以降比較)

これは、マグニフィセント・セブンがFANG+インデックスに比べて投資対象をより限定しているためです。

FANG+インデックスはテクノロジー関連企業に特化して投資している一方、マグニフィセント・セブン信託ではM7銘柄に集中しています。M7銘柄は一部を除きテクノロジー関連企業ではないため、成績に差が生じる可能性があります。

*三井住友トラスト・アセットマネジメント月次レポートより引用

比較の考察

FANG+インデックスとマグニフィセント・セブンのパフォーマンスを比較してみると、FANG+インデックスの方が良い結果が出ています。これはFANG+インデックスが幅広いテクノロジー関連企業に投資しているため、成績に優位性があることを示しています

しかし、マグニフィセント・セブン信託も自身の特徴があります。M7銘柄に集中することで、特定の銘柄の成績に依存する一方、情報収集やリスク管理が比較的容易となります。

投資を考える際には、自身の投資スタイルやリスク許容度に合わせて選択することが重要です。両者のメリットとデメリットをよく理解し、自身の投資目標に合った選択を行いましょう。

4. FANG+のメリット・デメリット

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有利に感じるFANG+インデックスへの投資には、以下のメリットとデメリットがあります。

メリット

  • 成長期待: FANG+インデックスは、テクノロジー企業の中でも成長が期待される大手企業に投資することができます。これにより、将来的な価値の上昇を見込むことができます。
  • リターンの可能性: FANG+インデックスは、テクノロジー業界のリーダー企業に投資するため、高いリターンの可能性があります。これらの企業は市場のトレンドを先導し、競争力が高いため、長期的な安定性も期待できます。
  • 投資の簡便性: FANG+インデックスへの投資は、一つのファンドによって複数の銘柄に分散投資することができます。これにより、投資の手間やコストを節約できます。

デメリット

  • 高ボラティリティ: FANG+インデックスは、テクノロジー大手企業に集中しているため、市場の変動により価格が大きく変動する可能性があります。これにより、投資リスクが高くなる可能性があります。
  • 集中リスク: FANG+インデックスは特定のテクノロジー企業に集中して投資するため、これらの企業が直面する業界特有の問題や規制の変更が投資全体に大きな影響を与える可能性があります。
  • 市場環境の変化への感応性: テクノロジー業界は急速に進化しており、新しい技術や競合他社の出現によって、現在のリーダー企業が将来も同じ成功を保証されているわけではありません。市場環境の変化により、投資の価値が減少するリスクがあります。
  • 過度の期待: FANG+インデックスへの過度の期待は、現実との乖離を生み出し、投資家が現実的なリターンを見積もることを難しくする可能性があります。過去の高いパフォーマンスが将来も続くとは限りません。

以上のデメリットを理解し、自身の投資目的、リスク許容度、そして市場の状況を総合的に考慮しながら、FANG+インデックスへの投資を検討することが重要です。

まとめ

マグニフィセント・セブンとFANG+は、ともに米国のテクノロジー関連株に注目したファンドですが、銘柄構成やカバー範囲の違いから、それぞれ特徴があります。

FANG+は幅広いテクノロジー企業を対象としているため、より大きな成長余地を秘めていますが、同時にボラティリティも高くなる可能性があります。一方、マグニフィセント・セブンは限定された銘柄に集中しているため、リスク管理が比較的容易です。

投資家はこれらの違いを理解し、自身のリスク許容度やポートフォリオ構築の目的に合わせて、どちらかを選択するのが賢明でしょう。常に最新の市場動向を把握し、柔軟な投資姿勢を持つことが重要です。

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