グローバルXの178Aと2244の両ETF比較 投資信託も設定

investment 比較記事

グローバルX社が提供する2つのETF、178Aと2244を比較します。また、それぞれの投資信託も設定されています。

投資家層やリスク許容度によってメリット・デメリットが異なりますが、共通している部分や違いについて詳しく見ていきましょう。

両ETFの指数の過去パフォーマンスや上場後パフォーマンスも参考になると思います。

  • 両ETFの概要
  • 両ETFの信託報酬は同じ、構成比率決定方法は違う
  • 両ETFの投資家層の違い
  • 両ETFのパフォーマンス
  • 両ETFの投資信託も設定

1. 178Aの概要

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178Aは、世界の大型優良企業15社に投資するグローバルX 革新的優良企業ETFの一つです。

このETFは、革新性を重視し、ブルーチップ企業に集中投資しています。

2024年4月10日上場されました。

「Mirae Asset Global Innovative Bluechip Top 10+ Index」への連動をめざしています。

特徴

  1. ブルーチップ企業: 収益性や成長性が優れ、財務基盤も堅固な企業に投資します。
  2. 革新性: AI、ビッグデータ、半導体などの成長分野を牽引する企業を重要視し、選定します。
  3. 分散投資: 15社の銘柄に分散投資することで、リスクを抑えながら成長機会を捉えることができます。
  4. 選定された銘柄は均等加重により構成比率が決定されます。
  5. 低い信託報酬: 年率0.375%(税込0.4125%)と比較的低い信託報酬を提供します。

178Aは、毎年4月と10月の年2回、銘柄の入れ替えが行われます。

グローバルXが選定する銘柄は、革新分野において優れた成績を上げている世界的な優良企業です。

ブルーチップ企業とは?

ブルーチップ企業とは、収益性、成長性、財務基盤が優れている超一流企業のことを指します。

この用語は、ポーカーで最高額のチップが青色であったことに由来しています。

その後、優良企業を指す言葉として使われるようになりました。

178Aの構成銘柄

178Aの構成銘柄は、以下の4つの分野に分けられます:

  1. AI/ビッグデータ
  2. 半導体
  3. ヘルスケア/バイオテクノロジー
  4. 次世代モビリティ/バッテリー/再生可能エネルギー

世界の時価総額250億米ドル以上、1日平均売買代金5000万米ドル以上の銘柄をユニバースとし、3四半期平均ROCEがプラスおよび、過去5年間の売上高成長率がプラスである銘柄を候補銘柄とします。

組入候補銘柄の中から上記の4つのテーマにおいて時価総額上位2位に入る銘柄を選定します。

加えて、上記以外の組入候補銘柄の中から時価総額の大きい順に15銘柄になるまで選定し、合計15銘柄が指数構成銘柄となります。

これによって、革新分野をリードする優良企業に分散投資されます。

178Aの過去の成績

178Aが連動をめざす「Mirae Asset Global Innovative Bluechip Top 10+ Index」は、2019年2月28日から2024年2月29日までの5年間で約420%以上の成長を遂げました。

ただし、過去の実績が良すぎるという点にも注意が必要です。

178Aは魅力的な投資商品でありながらも、為替リスク、個別銘柄のリスクというデメリットも存在します。

投資を検討する際には、これらの要素を理解し、慎重に判断することが重要です。

下図は、「Mirae Asset Global Innovative Bluechip Top 10+ Index」の過去チャートです。

2. 2244の概要

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2244は、米国のビッグテック企業に特化したETFです。このETFは、「FactSet US Tech Top 20 Index」に連動して運用されることを目的としています。

2023年4月13日上場されました。

NASDAQに上場している米国のテクノロジー関連企業20社で構成されており、時価総額の大きい銘柄を選出しています。

このETF(2244)の特徴は以下の通りです:

銘柄のスクリーニングと組み入れ上限設定

2244では、銘柄を時価総額と流動性の基準に基づいてスクリーニングしています。

信託報酬は、178Aと同じ年率0.375%(税込0.4125%)です。

2244の構成銘柄は、テクノロジー関連分野として5つの分野に分けられます:

  1. 自動化(ロボティクス)
  2. クラウド
  3. コンテンツ/プラットフォーム
  4. eコマース
  5. 半導体

NASDAQ市場に上場する時価総額上位300位かつ1日平均売買代金1億米ドル以上の銘柄の中から、上記で挙げたテクノロジー関連の5つの各テーマにおいて浮動株調整後時価総額上位3位に入る銘柄を選定します。

次に、浮動株調整後時価総額に基づき4位以下の銘柄をランク付けし、20銘柄に達するまでテーマに関係なく上位の銘柄を選定します。

各銘柄および、サブテーマの組み入れ上限を設定しています。

1つの銘柄あたりの上限は8%、1つのサブテーマあたりの上限は25%です。

構成比率は時価総額加重によって決定されます。

2244の過去の実績

2244が連動を目指す「FactSet US Tech Top 20 Index」も大きく上昇しています。

チャートでは2023年1月までしかないですが、その後100%以上上昇しています。

銘柄入れ替えとリバランス

2244では、年に2回(6月と12月)銘柄の入れ替えとポートフォリオのリバランスを行います。

これにより、パフォーマンスの改善を図るために銘柄の組み換えが行われます。

中国と香港の本社を持つ企業の除外

2244では、中国と香港を本社とする企業は除外されています。

これにより、特定の地域に偏ったリスクを回避することができます。

このETF(2244)は、長期的な資産形成を目指す投資家にとって魅力的な選択肢となっています。

特に、アメリカのビッグテック企業や技術革新への信念が強い方や成長性の高い銘柄に投資したい方にとって、検討すべき選択肢となります。

3. 組入れ銘柄の比較

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グローバルXの178Aと2244との組入れ銘柄を比較してみましょう。

グローバルX 革新的優良企業ETF(178A)の上位組入れ銘柄・構成比率

2024年10月17日時点の上位組入銘柄・構成比率です。

定期リバランスにより入替(2024年10月21日実施)

2024年10月21日以降の構成銘柄(全15銘柄)は下記の通りになります。

2244(グローバルX US テック・トップ20 )ETF の上位組入れ銘柄・構成比率

2024年10月17日時点

上記の組入れ銘柄を比べてみると、178Aは、エヌビディア、オラクルなどの革新的な企業にも投資しており、ヘルスケアやバイオテクノロジーなどの分野にも分散投資しています。

2024年10月の定期リバランスにおいて、サブテーマの定義に見直しにより、テスラは除外になりました。また、AMDが採用されています。

一方、2244は、エヌビディア、テスラ、アップル、アマゾン、マイクロソフトなどのテクノロジー関連銘柄に集中的に投資しています。

両ファンドの組入れ銘柄には共通点もありますが、178Aは、ヘルスケアやバイオテクノロジーなどの分野にも分散投資しているため、安定感があります。

一方、2244はテクノロジー関連銘柄に特化しているため、上昇時のパフォーマンスが期待されます。

投資家のリスク許容度や投資目的によって、どちらのファンドが適しているか検討してみてください。

4. メリットとデメリットの比較

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このセクションでは、178Aと2244のメリットとデメリットを比較します。

178Aのメリット

  • 革新的な企業への投資が可能:AI、ビッグデータ、半導体などの成長分野をリードする企業に重点的に投資できます。
  • ブルーチップ企業への投資が可能:世界の収益性や成長性に優れた財務基盤の強固な企業に集中的に投資できます。
  • 分散投資によるリスク管理:15銘柄に分散投資することで、リスクを抑えながら成長機会を捉えることができます。

178Aのデメリット

  • 個別銘柄のリスク:個別の銘柄に集中投資するため、個別銘柄の業績悪化によってETF全体の運用成績が大きく悪化する可能性があります。

2244のメリット

  • 値動きが大きいため大きな値上がりが期待できます。
  • テクノロジー銘柄は今後も成長が期待できます。
  • ビッグテックに特化した投資ができます。
  • リバランス性に優れています。

2244のデメリット

  • 値動きが激しいため下落リスクが大きいです。
  • テクノロジー銘柄に特化しているため、分散効果が効きにくいです。

5. 投資家層の違い

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投資家層が異なるため、178Aと2244は異なる特徴を持っています。

178A – グローバルX 革新的優良企業ETF

  • 投資家層:革新的な企業に投資をしたいと考えている個人投資家
  • 投資内容:高成長と高収益を持つ企業に集中投資
  • 銘柄比較:主にアップル、マイクロソフト、アマゾンなどの革新的企業に投資
  • 特徴:国内初のブルーチップ革新企業ETF、高いリターンが期待できる

2244 – グローバルX US テック・トップ20 ETF

  • 投資家層:米国株式に投資をしたいと考えている個人投資家
  • 投資内容:米国のテクノロジー株式に集中投資
  • 銘柄比較:主にFANG+銘柄を含む米国テクノロジー関連企業に投資
  • 特徴:米国株式としてのリターンが期待できる

投資家層によって、投資内容やリスク・リターンが異なります。よって、自身の投資目的やリスク許容度に合わせて選ぶことが大切です。

また、過去のバックテスト結果に依存せず、将来のリターンを予測することは困難ですので、慎重に投資判断を行う必要があります。

6. 178A 2244上場後パフォーマンス

下図は178A(2024年4月10日上場)、2244(2023年4月13日上場)の各パフォーマンスです。
2024年10月17日までの約半年間の実績です。
期間が短いですが、2244が若干上回っています。
これは、両ETFの指数の過去データとも一致します。
上場後、両ETFともに2024年7月上旬まで上昇後、下落してわずかなプラスリターンとなっています。

7. 補足(178A 2244の投資信託も設定)

両ETFの投資信託も相次いで設定されています。

両ファンドとも信託報酬は0.495%(両ETFの信託報酬は0.4125%)

178Aの投資信託は2024年8月9日設定「一歩先いく グローバル・イノベーション企業インデックス」です。

2244の投資信託は2024年03月13日設定「一歩先いく USテック・トップ20インデックス」です。

178A 2244 比較 総括

  • 178Aは革新的な企業への投資やブルーチップ企業15社への投資が可能
  • 2244はテクノロジー銘柄20社への投資ができますが、値動きの激しさがある
  • リターンは2244>178Aとなる(若干の差)
  • リスクも2244>178Aとなる
  • 信託報酬は両ETFとも0.4125%
  • リバランスは両ETFとも年2回(178Aは4月と10月、2244は6月と12月)
  • 178Aは均等加重、2244は時価総額加重により構成比率が決定
  • 両ETFの投資信託も設定、共に信託報酬0.495%

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