人気の高いレバレッジETFであるSOXL(Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF)とTECL(Direxion デイリー テクノロジー株 ブル 3倍 ETF)の特徴や投資リスク、パフォーマンスを比較していきます。
レバレッジETFの魅力と注意点とともに、SOXLでの億り人を目指すポイントについても解説します。
記事のポイント
- SOXLの構成銘柄
- TECLの構成銘柄
- SOXL、TECLの比較に加え、TQQQも比較対象
- SOXLで億り人目指すポイント
1. SOXLとTECLの概要
SOXL(Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF)とTECL(Direxion デイリー テクノロジー株 ブル 3倍 ETF)は、両方ともDirexion社によって運用されているETF(上場投資信託)です。
SOXL(Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF)
- 2011年3月11日上場
- ティッカーシンボル: SOXL
- 運用会社: ディレクション社
- 概要: SOXLは、半導体関連企業の株価パフォーマンスを3倍に追跡することを目指しています。半導体業界は現代のテクノロジーの基盤であり、高成長率を持つ業界として注目されています。
SOXLの構成銘柄と比率(2024年11月8日)上位10銘柄
TECL(Direxion デイリー テクノロジー株 ブル 3倍 ETF)
- 2008年12月17日上場
- ティッカーシンボル: TECL
- 運用会社: ディレクション社
- 概要: TECLは、テクノロジー関連企業の株価パフォーマンスを3倍に追跡することを目指しています。テクノロジー業界は急速に成長し、イノベーションと新しい市場の創出が特徴です。
TECLの構成銘柄と比率(2024年11月8日) 上位10銘柄
両方のETFは、投資家にテクノロジーセクターの成果を倍増させる機会を提供します。
ただし、これらのETFはレバレッジ(3倍率)を持っています。
また、株価の上昇とともに設定倍率で増加するため、リスクも高くなります。
故に、投資を考える際には、リスクや適切な投資期間を考慮することが重要です。
2. SOXLとTECLトータルリターンの比較(TQQQ含む)
このセクションでは、SOXLとTECLのトータルリターンを比較します。トータルリターンは、投資期間中に得られた合計収益のことを指します。
10年間の結果
PortfolioVisualizerのデータを用いて、SOXL上場日の2011年3月11日から2021年10月1日の10年間の結果を見てみましょう(TQQQも参考)。
この期間中の初期投資額は3000ドルで、毎月500ドルを投資していった場合の結果を示しています。
- SOXLの最終的な金額の合計は1.87ミリオンドルとなり、TECLは1.23ミリオンドルです。
- TQQQは1.53ミリオンドルとなっています。
リスク指標の比較
標準偏差を見ると、SOXLが65.45%、TECLが50.38%、TQQQが49.26%となっています。
この結果から、SOXLが最もボラティリティが高いことが分かります。
最大ドローダウンを見てみると、SOXLが65.83%、TECLが56.62%、TQQQが49.12%となっています。
最大ドローダウンとは、過去最高値から最も価格が下がった幅のことで、SOXLが最も大きな値を示しています。
さらに、シャープレシオを見ると、TQQQが1.08、TECLが0.98、SOXLが0.90となっています。
シャープレシオは、リスクを考慮した上でのリターンの効率性を示す指標であり、TQQQが最も優れたバランスを持っていることが分かります。
年間平均リターン
年間平均リターンを見てみると、TQQQが50.86%、SOXLが45.20%、TECLが44.04%となっています。
特に、2021年10月1日までの過去5年間では、SOXLが90.98%のリターンを示しており、半導体レバレッジによる高い成長が見られます。
以上の結果から、トータルリターンの観点では、SOXLが最も有利であることが分かります。
ただし、SOXLのボラティリティと最大ドローダウンが高いため、投資家はリスクを考慮した上で適切な判断を行う必要があります。
3. 暴落回数と暴落率の比較
レバレッジETFのパフォーマンス評価において、暴落回数と暴落率は非常に重要な指標です。
ここでは、SOXLとTECLの暴落回数と暴落率を比較してみましょう。
暴落回数の比較
まずは暴落回数の比較です。
ここでも2021年10月1日まで過去約10年間の暴落回数を調査しました。
結果として、以下の結果が得られました。
- TECL:19回の暴落
- SOXL:25回の暴落
これにより、SOXLはTECLよりも暴落回数が多いことが分かります。
暴落率の比較
続いて暴落率の比較です。暴落率は、直近の最高値から最底値までの下落率を表します。以下は、SOXLとTECLの暴落率の一部です。
- SOXL暴落率:-35.7%、-33.7%、-35.0%、-56.6%、-48.4%
- TECL暴落率:-77.9%、-39.3%、-32.5%
暴落率の平均を比較すると、以下の結果となります。
- SOXLの平均暴落率:-45.9%
- TECLの平均暴落率:-41.6%
以上の結果から、TECLはSOXLに比べて暴落回数も暴落率も少なく、より安定性が高いと言えます。
4. 2022年以降のリターンの比較(SOXLとTECL)
ここでは2022年以降のSOXL、TECLのチャートを見ていきましょう。対象の期間によって違いが、出てきています。
以下のSOXL、TECLの比較チャートを参考にして下さい。
2022年から現在のリターン(SOXLとTECL)チャート参照
2022年初頭をゼロとしてから現在(2024年11月8日)の期間までは、一貫してTECLの上昇が大きいと言えます。
2022年のような比較的長い下落相場があると、ボラティリティが高いSOXLは、TECLに劣後することがわかります。
SOXLは、TECLに比べて最低値からの回復に時間がかかるためです。
2023年から現在のリターン(SOXLとTECL)チャート参照
2023年初頭をゼロとして現在(2024年11月8日)までの上昇は、僅かにTECLが大きいです。
しかし、2023年初頭から2024年7月上旬までのSOXLの上昇は、TECLをかなり上回っています。
やはり、SOXLは、連続した上昇相場でのリターンはかなり大きい言えるでしょう。
2015年から現在のリターン(SOXLとTECL)チャート参照
2015年初頭をゼロとして現在(2024年11月8日)までの上昇は、僅かにTECLが大きと言えます。
2021年10月1日までの過去約10年間と同様に、SOXLのボラティリティの高さと、TECLが安定性の高さがわかります。
5. レバレッジETFのリスクと魅力
レバレッジETFは、少ない資金で一気に稼ぐ可能性があるという魅力がありますが、その一方でリスクも存在します。
以下に、レバレッジETFのリスクと魅力について詳しく説明します。
リスク
- 価格の乖離リスク: レバレッジETFは、指数との乖離が生じる可能性があります。指数の値動きに追従しているとは限らず、ボラティリティが高く変動することがあります。
- 資金割れリスク: レバレッジETFの価格が大幅に下落した場合、元本割れのリスクがあります。特に長期保有の場合、価格変動による損失を回復するまで時間がかかる可能性があります。
- 手数料リスク: レバレッジETFは、他のETFと比較して手数料が高い傾向があります。手数料が利益を圧迫する要因となるため、注意が必要です。
- レバレッジリスク: レバレッジETFは、レバレッジをかけて運用するため、指数の値動きの3倍などのリターンが期待できますが、その分リスクも大きくなります。
魅力
- 少ない資金で高いリターンが見込める: レバレッジETFに投資することで、少ない資金でも高いリターンが期待できます。例えば、コロナショック後の上昇基調で一気に価格が上昇した場合、短期間で大きな利益を得ることができます。
- 積立投資にも活用できる: レバレッジETFは、積立投資にも利用することができます。長期的な運用を前提とした場合、将来の値上がりを期待する銘柄にレバレッジをかけることで、高いリターンを狙うことができます。
- 投資家の選択肢の一つとして活用できる: レバレッジETFは、投資家の選択肢の一つとして利用されています。適切なリスク管理と資金配分を行いながら、レバレッジETFを活用することで、多様な投資手法を取ることができます。
レバレッジETFは魅力とリスクを兼ね備えた投資商品です。
リスクを十分に理解し、自己の投資目的やリスク許容度に応じて検討することが重要です。
また、十分な情報収集やリサーチを行いながら、慎重に投資判断を行うことも大切です。
6. SOXLで億り人を目指す際のポイント
SOXLはTECLと比較しても、ボラティリティの高さは高いものの、その爆発力を利用して億り人を目指す投資家も多く存在します。
成功のための戦略
SOXLで億り人を達成するためには、以下の点が重要となります。
- 半導体業界の動向や新技術の動きをリサーチする
- 適切なタイミングでの買い付け・売り時を心がける
- ストップロスの設定や分散投資によるリスク管理
- 短期の売買を基本とし、長期保有は避ける
SOXLで成功するためには、アグレッシブな投資スタンスが不可欠です。
半導体業界の成長期や新技術導入時期などの好機を逃さず、機動的に行動することが求められます。
また、リスクを恐れずに大胆に資金を投入できる心構えも必要不可欠です。
一方で、市況判断を誤れば大損失に見舞われるリスクもあります。
逆指値注文などのストップロス設定や冷静な分析力と、的確な判断力を身につける必要があります。
有望な投資のチャンスを見逃さず、一方でリスクに身を投げ込みすぎないバランス感覚が必要不可欠といえるでしょう。
SOXL TECL 比較 について総括
- SOXLとTECLはともにレバレッジETFであり、高い成長と引き換えに高リスク
- 短期的なSOXLのトータルリターンの期待値は高いが、高ボラティリティとドローダウンも大きい
- TECLはSOXLと比較して、相対的に安定性が高く、シャープレシオも良好
- 上昇相場:SOXL>TECL
- 下落相場:TECL>SOXL
- 長期ではTECL>SOXLの可能性が高い
*投資を検討する際には、自身のリスク許容度に合わせた判断を行うことが重要です。