S&P500トップ10 – NASDAQ100 FANG+とのパフォーマンス比較

business 比較記事

「Tracers S&P500トップ10インデックス」は、S&P500の構成銘柄のうち時価総額上位10社の株式に投資する商品です。

NASDAQ100 、FANG+との比較及びリスクを解説していきます。

必ずや中長期的な資産形成を目指す投資家に参考になると思います。

  • S&P500トップ10の概要
  • S&P500トップ10設定以前比較
  • S&P500トップ10設定後比較

S&P500トップ10インデックスの概要

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「Tracers S&P500トップ10インデックス」の特徴を理解するために、まずはその概要から説明します。

投資対象

この投資信託は、2024年5月16日に設定、S&P500指数の構成銘柄のうち時価総額上位10社の株式に投資します。

10銘柄の時価総額を加重平均して算出していきます。

現在の主要構成銘柄には、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、アマゾン、アルファベットなどの大手テック企業が名を連ねています。

これらの企業は、世界的な影響力を持ち、高い成長性が期待されています。

また、時価総額上位10社への集中投資は、高いリスクを伴いますが、その分リターンも高くなる可能性があります。

投資家は、自身のリスク許容度を考慮し、ポートフォリオ全体における適切な割合で組み入れることが重要です。

構成銘柄の見直し

S&P500指数の時価総額ランキングは常に変動しているため、「Tracers S&P500トップ10インデックス」の構成銘柄も年1回(6月)見直されます。

また、個別銘柄の構成比率は年4回(3、6、9、12月)調整されます。

この定期的な見直しにより、インデックスの実質的な運用が可能となります。

構成銘柄の入れ替えは、投資家にとって新たな投資機会を生み出す一方で、売買コストの発生や一時的な乖離リスクも生じる可能性があります。

投資家は、これらのリスクを理解し、適切にポートフォリオを運用する必要があります。

構成銘柄見直し:2024年6月21日実施

追加銘柄 イーライリリー
ブロードコム
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー
除外銘柄 テスラ
ユナイテッドヘルス・グループ
ジョンソン・エンド・ジョンソン

ケンビュー

個別銘柄構成比率:2024年8月30日

  銘柄
1 アップル
(情報技術)
18.4%
2 マイクロソフト
(情報技術)
19.6%
3 エヌビディア
(情報技術)
17.4%
4 アマゾン・ドット・コム
(一般消費財・サービス)
9.7%
5 メタ・プラットフォームズ
(コミュニケーション・サービス)
6.8%
6

アルファベット(クラスA)*                        (コミュニケーション・サービス)

5.7%

7 バークシャー・ハサウェイ
(金融)
4.8%
8

アルファベット(クラスC)*                         (コミュニケーション・サービス)

5.1%
9 イーライリリー
(ヘルスケア)
4.5%
10 ブロードコム
(情報技術)
4.2%
11 JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー
(金融)
3.8%

1社で複数の銘柄が上場している場合や、スピンオフ(分離・独立)などの理由から、構成銘柄数が10を超えることがあります。

信託報酬

信託報酬は年0.10725%と非常に低く設定されています。

これは、同種の投資信託と比べても魅力的な水準です。低コストな運用が可能なことから、長期的な資産形成に適した商品と言えるでしょう。

一方で、手数料以外のコストについても注意が必要です。

株式の売買に伴う手数料や、為替リスクヘッジコストなどが発生する可能性があります。

投資家は、これらの潜在的なコストを考慮に入れる必要があります。

リスクと留意点

innovation

高いリターン期待値がある反面、様々なリスクも存在します。投資を検討する上で、これらのリスクを理解することが重要です。

集中投資リスク

この投資信託は、S&P500指数の構成銘柄のうち時価総額上位10社に集中して投資するため、分散投資の観点から見るとリスクが高くなります。

個別銘柄や特定の業界に集中することで、市場全体の動きとは異なる値動きをする可能性があります。

特に、構成銘柄にテクノロジー企業が多いことから、半導体業界の動向や米中貿易摩擦の影響を受けやすい点にも注意が必要です。

投資家は、分散投資の重要性を理解し、適切なリスク管理を行う必要があります。

為替リスク

為替ヘッジを行っていないため、為替変動の影響を受けます。

円高が進めば、米国株式の円換算後の値下がりリスクが高まります。

逆に円安が進めば、米国株式の円換算後の値上がり効果が期待できます。

また、為替リスクへの対策としては、別途為替ヘッジを行うことが考えられます。

ただし、ヘッジコストがかかるため、長期的にはコストが積み重なる可能性があります。

投資家は、為替リスクとヘッジコストのトレードオフを理解し、自身の投資スタイルに合わせた判断が必要となります。

流動性リスク

新しい投資信託であるため、現時点では流動性が十分とは言えません。

また、流動性が低いと、売買価格が大きく乖離するリスクがあります。

今後、この商品が広く認知され、取引高が増えれば流動性は改善されることが期待されます。

しかし、流動性リスクを認識し、売買タイミングや売買単位に留意する必要があるでしょう。

NASDAQ100との比較

finance

「Tracers S&P500トップ10インデックス」は、NASDAQ100指数とも密接に関係しています。

両者の特徴を比較することで、この商品の位置付けがより明確になります。

指数構成の違い

NASDAQ100指数は、NASDAQ取引所に上場する非金融株の時価総額上位100社で構成されています。

一方、「Tracers S&P500トップ10インデックス」は、S&P500指数の構成銘柄のうち時価総額上位10社のみを対象としています。

このように、両者の指数構成には違いがあります。

NASDAQ100の方が分散度は高いものの、「Tracers S&P500トップ10インデックス」には米国を代表する超大手企業が集中して含まれています。

投資家は、自身の投資スタイルに合わせて、適切な商品を選択する必要があります。

リターンの比較

過去のデータを見ると、「Tracers S&P500トップ10インデックス」とNASDAQ100指数のリターンはかなり似通っています。しかし、一時的に大きく乖離する場合もあります。

例えば、以下の表は、過去5年間のリターンを比較したものです。

Tracers S&P500トップ10インデックス NASDAQ100指数
2018年 8.2% 6.9%
2019年 38.5% 39.1%
2020年 41.2% 48.9%
2021年 27.6% 27.5%
2022年 -26.8% -32.4%

この表から分かるように、「Tracers S&P500トップ10インデックス」とNASDAQ100指数は、概ね似通ったリターンを示しています。

ただし、2020年のようにNASDAQ100指数の方が大きく上回る年もあれば、2022年のように「Tracers S&P500トップ10インデックス」の方が下落幅が小さい年もあります。

これは、指数構成の違いによるものと考えられます。

コストの比較

「Tracers S&P500トップ10インデックス」の信託報酬は年0.10725%と非常に低コストです。

一方、NASDAQ100指数に連動する投資信託の信託報酬は概ね0.2%前後となっています。

コストの違いは、長期的な資産形成において大きな影響を及ぼします。

例えば、10年間で1,000万円を運用した場合、信託報酬の差は数十万円にもなります。

投資家は、コストの違いを十分に理解し、自身の投資目的に合わせて商品を選択する必要があります。

FANG+との比較

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「Tracers S&P500トップ10インデックス」は、FANG+とも密接に関係しています。

FANG+とは、Facebook(現Meta Platforms)やAmazon、Netflix、Googleなどの代表的なテクノロジー企業の総称です。

Aapl 、Meta、Googl、Msft、 Amzn 

以上5銘柄は「Tracers S&P500トップ10インデックス」はFANG+と共通の銘柄です。

両者の特徴を比較することで、この商品の位置付けがより明確になります。

指数構成の違い

FANG+は、特定のテクノロジー企業に集中した投資となります。

一方、「Tracers S&P500トップ10インデックス」は、時価総額上位10社に投資するため、業種の偏りは比較的小さくなります。

例えば、現在の「Tracers S&P500トップ10インデックス」の構成銘柄には、テクノロジー企業以外にも、消費者サービス企業やヘルスケア企業が含まれています。

このように、分散度が高いため、特定の業界リスクに左右されにくい点が特徴です。

リターンの比較

過去のデータを見ると、FANG+と「Tracers S&P500トップ10インデックス」のリターンは似通った動きを示しています。しかし、一時的に大きく乖離する場合もあります。

例えば、以下の表は、過去5年間のリターンを比較したものです。

Tracers S&P500トップ10インデックス FANG+
2018年 8.2% 11.2%
2019年 38.5% 42.7%
2020年 41.2% 58.9%
2021年 27.6% 21.8%
2022年 -26.8% -37.5%

この表から分かるように、FANG+の方が上昇局面ではリターンが高い傾向にあります。

一方、下落局面では「Tracers S&P500トップ10インデックス」の方が下落幅が小さくなる傾向があります。

これは、FANG+株式がテクノロジー企業に特化しているのに対し、「Tracers S&P500トップ10インデックス」が分散されているためと考えられます。

コストの比較

「Tracers S&P500トップ10インデックス」の信託報酬は年0.10725%に対して、FANG+株式は0.7755%となっています。

これは、NASDAQ100指数に連動する投資信託の概ね0.2%前後に対してもFANG+の信託報酬は非常に高くなっています。

S&P500トップ10設定日以降 NASDAQ100 FANG+とのパフォーマンス比較

stock market

S&P500トップ10は2024年5月16日に設定されました。

それ以後の3ファンドのパフォーマンスを見ていきます。

便宜上NASDAQ100は指数ではなく、投資信託で見ていきます。

信託報酬が0.198% と類似品と比較して最安の「楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンド」のパフォーマンスで比較します。

期間(2024年5月16日~2024年9月26日)は短いですが、相関性を持った動きになっています。

上昇局面では、FANG+>S&P500トップ10>楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンド

下落局面では、その逆になりやすい傾向が見てとれます。

これは期間を長くとっても同じような傾向になると思います。

s&p500トップ10 比較 について総括

  • Tracers S&P500トップ10インデックスは、S&P500指数の時価総額上位10社に集中投資する投資信託
  • 上昇局面は、FANG+>S&P500トップ10>NASDAQ-100のパフォーマンス
  • 下落曲面は、NASDAQ-100>S&P500トップ10>FANG+のパフォーマンス
  • 全て相関性を持った動きになっている
  • Tracers S&P500トップ10インデックスとFANG+は各10銘柄中5銘柄が共通

 

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