投資においては、安定した収入を得ることが重要になります。そのためには、高配当の銘柄への投資が有効な手段の一つです。
本ブログでは、高配当投信の魅力や楽天SCHD SBI全世界高配当ファンドのリターン比較をしていきます。
記事のポイント
- 高配当投信の様々な魅力
- 楽天SCHDとSBI全世界高配当ファンドの比較
1. 高配当投信の魅力とは?
高配当投信は、長期的な資産形成を目指す投資家にとって、多くの利点を提供します。
その中でも特に注目すべきポイントを以下にまとめます。
安定したインカムゲイン
インカムゲインとは、株式や債券等の資産を保有中に得られる収益のことです。
例えば、株式では配当金がインカムゲインに当たり、それら資産を保有し続けることで、継続的な収入を期待することができます。
高配当投信は、個別株に比べてリスクが分散されているため、安定した配当収入を得やすいという特徴があります。
これにより、株価が変動しても配当金を通じて一定の収益を得られることが期待できます。
投資家は株式を保有することで、企業から定期的に配当金を受け取ることができ、その金額が資産形成に寄与します。
経済成長の享受
高配当投信は、安定したキャッシュフローを持つ成熟企業が多いことから、経済成長に伴って恩恵を受ける可能性があります。
これにより、配当の増加が期待されるため、インフレに対するヘッジとしても機能します。
手数料の低さ
多くの高配当投信は、信託報酬が比較的低く設定されていることが特徴です。
運用コストが低いことで、長期的に見ると利益を最大化することができるため、投資効率が良いと言えます。
下図は米国大型株投信の運用コストとリターンの関係を記したものですが、コストに勝るものはないと言っても過言ではありません。
まとめ
高配当投信は、安定した収益を求める投資家にとって魅力的な選択肢です。
リスク分散、効率の良い管理、経済成長の享受といった利点を兼ね備えており、将来的な資産形成を支える強力な味方となることでしょう。
2. 楽天SCHDの概要
楽天SCHDは、米国の高配当株に特化した魅力的な投資信託です。
正式名称は「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」で、通称が「楽天SCHD」です。
これまでSHCDに日本国内で投資できる機会がなかったため、投資家にとって待望の商品です。
設定日は2024年9月17日です。
新NISAでは成長投資枠で購入可能です。
このセクションでは、楽天SCHDの特徴とその投資戦略について詳しく探ります。
投資対象
楽天SCHDは、シュワブ米国配当株ETF(SCHD)を投資対象とする投資信託です。
シュワブ米国配当株ETF(SCHD)は、ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックスに連動する成果を目指すETFです。
ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックスは、長期間にわたって安定した配当を出す米国企業100社で構成される指数です。
分配方針
年間4回(2月・5月・8月・11月)に決算をおこない、分配方針に基づき分配をおこないます。
原則として為替ヘッジはおこないません。
信託報酬
楽天SCHDは、信託報酬が0.192%と比較的低いため、投資家にとってコスト面でも魅力的です。
信託報酬が低いことは、長期的なパフォーマンスに良い影響を与えるため、長期的な投資を計画している場合は特に重要なポイントとなります。
配当利回りの魅力
楽天SCHDは、他のETFと比較して比較的高い配当利回りを提供します。
この高配当利回りのおかげで、定期的に受け取る分配金を再投資することが可能となり、複利効果を享受できます。
特に、長期的な資産形成を目指す投資家にとって、この点は大きなメリットです。
3. SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)の概要
SBI全世界高配当株式ファンドは、主に世界中の高配当株に投資し、投資家に対して安定したインカムゲインを提供することを目的としています。
設定日は2024年10月1日です。
新NISAでは成長投資枠で購入可能です。
このファンドは、以下の4つの地域に特化したマザーファンドを通じて各国の高配当株にアクセスします。
投資対象地域
- 米国
- 欧州
- 新興国
- 日本
この多様な地域への投資戦略により、リスクを分散しつつ、持続可能なリターンを実現することを目指しています。
マザーファンドの特長
本ファンドは、それぞれの地域に合わせた独自のマザーファンドに投資しています。具体的には、以下のファンドが含まれます。
- SBI日本高配当株式マザーファンド: 日本国内の高配当株に焦点を当てたファンドです。
- 新興国高配当株式マザーファンド: 2024年4月に設定で、新興国の高配当株式に特化します。
- SBI米国高配当株式マザーファンド: 2024年10月1日設定で、アメリカ市場の高配当株に注力します。
- SBI欧州高配当株式マザーファンドⅡ: 同じく2024年10月1日に設定、欧州の高配当株に投資します。
投資方針
本ファンドの投資方針は、高配当銘柄を中心としたポートフォリオを組むことです。銘柄選定にあたっては、以下の点を重視しています。
- 時価総額: 大型企業への投資により、ポートフォリオの安定性を図ります。
- 流動性: 売買の利便性を考え、流動性の高い銘柄を選定します。
- 配当支払い能力: 高い配当を持続的に支払える企業を選ぶことで、安定した収入を狙います。
リターン及びコスト構造
SBI全世界高配当株式ファンドの信託報酬は業界水準において最低コストである0.055%に設定されており、運用コストを抑えることに注力しています。
この低経費構造により、より多くのリターンを得られるチャンスが広がります。
また、投資家には約4%の分配金利回りが期待され、安定した収入源が提供されます。
分配金のスケジュール
ファンドの決算は年間4回(2月、5月、8月、11月)行われます。
年4回の分配金を通じて、投資家に安定したインカムをもたらすことを目指しています。
SBI全世界高配当株式ファンドは、多様な高配当株に国際的に分散投資し、コストを抑えつつ安定したリターンを追求する魅力的な金融商品です。
4. 楽天SCHDとSBI全世界高配当ファンド 比較
それでは両ファンドの比較をしていきましょう。
基本スペック比較
以下の表にそれぞれの特徴をまとめました。
– | 楽天SCHD | SBI全世界高配当株式ファンド |
---|---|---|
分配金 | 2月・5月・8月・11月 | 2月、5月、8月、11月 |
分配金利回り | 3.59%(2023年) | 約4%目指す |
信託報酬 | 0.192% | 0.055% |
ベンチマーク | ダウ・ジョーンズ・USディビデンド100インデックス | なし |
ウエイト | 時価総額加重(上限あり) | アクティブ |
特にアクティブファンドでありながら、SBI全世界高配当株式ファンドの信託報酬の安さが際立ちます。
トータルリターン比較予想
楽天SCHDはベンチマーク(ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックス)があるため、ベンチマークを用いた過去データを参考にします。
SBI全世界高配当株式ファンドはベンチマークがないため下記のように予想していきます。
楽天SCHDのトータルリターン
基準価額は上昇、分配利回りは3.5%ほどをキープしています。
その結果、分配金は増配を継続しています。
SBI全世界高配当株式ファンドのトータルリターン
SBIグローバルアセットマネジメント株式会社は年約4%の分配利回りを狙うと明言されています。
SBIグローバルアセットマネジメント株式会社では、これまでにアクティブ運用の高配当株式シリーズとして下記ファンドなどを設定してきました。
「SBI日本高配当株式ファンド(年4回決算型)」
「SBI欧州高配当株式ファンド(年4回決算型)」
これらの高配当株式ファンドは代表的インデックスに近い成績を残しています。
そのことから、推測ですがSBI全世界高配当株式ファンドは、
「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス 高配当利回りインデックス」に近い成績になると予想できます。
リターンの結論(予想)
ここ10年ほどは米国株が全世界株をかなり上回っていたため、分配金を含めたトータルリーターンの比較では、楽天SCHDがSBI全世界高配当株式ファンドに勝ると予想できます。
今後、米国株が低迷期に入らない限りはこの傾向が続くでしょう。
ちなみに、SCHDをVOO(S&P500)と比較してみても、トータルリターンはVOOに近い実績です(下図)。
楽天SCHDとSBI全世界高配当 設定後トータルリターン比較(実績)
楽天SCHDの設定は2024年9月17日、SBI全世界高配当株式ファンドの設定日は2024年10月1日です。
期間は短いですが、2024年10月1日から2024年11月15日までのトータルリターンの比較をします。
青:楽天SCHD
赤:SBI全世界高配当株式ファンド
引用:Yahoo!ファイナンス
期間が短く参考程度ですが、トータルリターンの比較では、楽天SCHDがSBI全世界高配当株式ファンドを上回っています。
楽天SCHDとSBI全世界高配当の比較について総括
- 高配当投信は、安定したインカムゲインと分散効果、低コストと多くの利点を備えた魅力的な投資商品
- トータルリターンは楽天SCHD>SBI全世界高配当株式ファンドと予想
- リスクは楽天SCHD>SBI全世界高配当株式ファンドと予想
- 楽天SCHDのトータルリターンは、S&P500に近いと予想