このブログでは、マイニング株の歴史と、半減期をめぐってのビットコインの価格変動との関係性について、パフォーマンス比較を通じて深く掘り下げていきます。
マイニング企業の動向を含め、マイニング株投資のメリット、リスクなど投資家が押さえるべきポイントを解説します。
記事のポイント
- ビットコイン半減期とマイニング株の関連性
- 主要マイニング企業の動向
- ビットコインとマイニング株のパフォーマンス比較
1. ビットコイン半減期とマイニング株の歴史
マイニング株の業績はビットコインの価格変動に大きく影響を受けます。
ビットコインの価格が上昇すれば、マイニングで得られる収益が増加するため、企業の業績も良くなる傾向にあります。
一方、ビットコインの価格が下落した場合は、マイニング収益が減少し、企業業績が悪化する可能性があります。
ビットコイン半減期とマイニング株の関連性
ビットコインには4年ごとに報酬額が半減する「半減期」があり、これもマイニング株の業績に影響を与えます。
そのため、半減期直前は、マイナーが報酬を最大限に得ようとするため、マイニング活動が活発化します。
一方、半減期を過ぎると報酬が半減するため、一時的に業績が悪化する可能性があります。
過去3回の半減期では、マイニング株は半減期前後で大きく変動しました。
2回はノーズダイブしましたが、2020年は横ばいでした。
半減期後は、ビットコインの価格上昇が約1年続く傾向があるため、適切な時期と銘柄を選べば、ビットコインを上回るパフォーマンスが期待できます。
2024年が4回目の半減期となりました。
- 1回目のビットコイン半減期:2012年11月28日
- 2回目のビットコイン半減期:2016年7月9日
- 3回目のビットコイン半減期:2020年5月11日
- 4回目のビットコイン半減期:2024年4月20日
ビットコイン価格推移の歴史
ビットコインの価格は、様々な出来事によって大きく変動してきました。
- 2009年: 誕生当初は1BTCが約0.07円
- 2013年: キプロス危機や中国規制などで一時12万円まで急騰
- 2014年: Mt.Gox閉鎖で価格が大きく下落、その後IT企業の決済採用で回復
- 2015年: Bitstampハッキング被害、ニューヨーク州がビットライセンス導入
- 2016年: 日本での法整備進展で価格が緩やかに回復
- 2017年: 機関投資家の参入で急騰したが、2018年にバブル崩壊
このように、ビットコインの価格変動は様々な要因に左右されてきました。
マイニング株の投資を検討する際には、こうした価格変動要因を理解しておく必要があります。
ビットコインETFと半減期
ビットコイン現物ETFの承認や半減期による供給量減少は、マイニング株にとって追い風となる可能性があります。
半減期を迎えたマイニング企業は、設備拡大などの戦略的な投資を行っています。
例えば、ライオット・プラットフォームズは2024年に設備を拡大し、マイニング能力を高めています。
同社は2023年に過去最高益を記録しており、長期的なビットコインの可能性を見据えた事業展開を行っています。
2. 主要マイニング企業の動向
ビットコインのマイニング企業は、マイニング機器の配備や事業拡大、収益の最大化など、様々な戦略を展開しています。
ここでは、主要なマイニング企業の最新動向について見ていきましょう。
ライオット・プラットフォームズ
ライオットプラットフォームズは、22.0エクサハッシュ/秒(EH/s)のデプロイハッシュレートを達成し、2024年の第2四半期目標を上回りました。
同社はまた、2024年6月に255ビットコインを生産したと報告し、5月から19%増加したが、前年同月からは45%減少しました。
ハッシュ・レートの大幅な伸びは、ライオットのコルシカナ施設に7.3EH/秒が追加されたことと、ロックデール施設の追加能力が利用されたことによります。
ライオットはまた、電力クレジットを差し引いた電力コストの月次報告指標を新たに導入しました。 2024年6月、同社は620万ドルの電力クレジットを獲得しました。
その結果、ロックデール、コルシカナの両施設での合計2.6セント/kWhというコストは、業界最低水準であり、ライオットの重要な競争優位性を示しています。
また、インベスティング・プロのデータによると、ライオットはバランスシート上、負債よりも現金を多く保有しています。
これは市場のボラティリティに対するクッションとなり、成長への継続的な投資を可能にする可能性があります。
マラ・ホールディングス
マラはビットコイン生産の大部分を米国で行っています。
昨年にはアブダビとパラグアイにも進出し、今後は中東、アフリカ、ラテンアメリカなどでさらにビジネス機会を探索していく計画です。
同社は、2024年末までに50 EH/sのハッシュレートを達成するという目標を立てています。
2024年6月30日現在、同社は使途不指定の現金、現金等価物、ビットコインの合計残高が約14億3,000万ドルに達することを報告しています。
この財務状況は、暗号通貨マイニング業界におけるマラソンの継続的な成長と事業規模の拡大を裏付けています。
マラは51.9億ドルの時価総額を誇り、2024年第1四半期時点の過去12ヶ月間で328.1%という顕著な収益成長を遂げています。
この例外的な成長は、同期間の100.86%という驚異的な営業利益率によって補完されています。
マラは、ライオットやクリーンスパークなどの他の企業とともに「ビットコイン有権者プロジェクト」を立ち上げました。
いかなる政治的候補者や政党も支持することなく、有権者にデジタル資産とブロックチェーン業界について情報を提供することを目的とした超党派の取り組みを行います。
クリーンスパーク
3. ESG視点からのマイニング株投資
近年、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みが重視されるようになってきました。マイニング業界においても、ESGを意識した企業が登場しています。グリフォン・デジタル・マイニング
グリフォン・デジタル・マイニングは、クリーンエネルギーを活用したビットコインマイニングに注力しています。4. ビットコインとマイニング株のパフォーマンス比較
マイニング株への投資には、以下のようなメリットがあります。
ビットコインの半減期前後の価格上昇の恩恵
マイニング株は、半減期前後のビットコイン価格上昇から直接的に恩恵を受けます。
ビットコインの価格が上がれば、マイニングで得られる収益も増加するためです。したがって、ビットコインへの投資と同等以上の効果が期待できます。
ただし、マイニング株は価格変動のリスクもあるため、分散投資が重要になります。
ビットコイン ライオット マラ クリーンスパーク パフォーマンス比較
以下、ビットコイン(BTC)とライオット(RIOT)、マラ(MARA)、クリーンスパーク(CLSK)パフォーマンスを比較していきます。*TradingViewよりの引用です
2016年6月27日から2024年11月15日 の比較
2020年5月11日から2024年11月15日の比較
2024年4月22日から2024年11月15日の比較
各上図をみると、半減期前後のビットコイン価格上昇に伴い、マイニング株のパフォーマンスも上昇しているのがわかります。
ビットコイン以外の報酬
一部のマイニング企業は、マイニング報酬としてビットコイン以外の暗号資産も受け取っています。
これらの暗号資産の価格が上昇すれば、追加的な恩恵を受けられる可能性があります。
マイニング技術の革新
マイニングの効率化や低コスト化に向けた技術革新が進めば、マイニング企業の収益性が高まることが期待できます。
先進的なマイニング技術を有する企業は、競争力の高い優良銘柄となる可能性があります。
5. マイニング株への投資リスク
一方で、マイニング株への投資には以下のようなリスクも存在します。
ビットコイン価格下落リスク
ビットコインの価格が下落した場合、マイニング企業の収益が減少し、業績が悪化する可能性があります。
投資家は常にビットコインの価格動向を注視する必要があります。
ネットワーク難易度上昇リスク
ビットコインのマイニングは、ネットワーク全体のハッシュレートに応じて難易度が上昇します。
難易度が高くなれば、マイニングコストが増加し、企業の収益性が低下する可能性があります。
電力コスト上昇リスク
マイニングには多額の電力が必要となるため、電力コストの上昇はマイニング企業の収益を直撃します。
エネルギー価格の変動は、マイニング株への投資リスクとなります。
マイニング機器の陳腐化リスク
マイニング機器は短期間で陳腐化するため、マイニング企業は常に最新の機器を導入する必要があります。
これには多額の設備投資が必要となり、企業の収益を圧迫する可能性があります。
マイニング株 ビットコイン半減期(パフォーマンス比較) について総括
- マイニング株は、半減期前後や、ビットコインの価格推移など、様々な要因を考慮する必要がある
- ビットコインへの投資と同等以上のメリットがあり、マイニング技術の進歩による恩恵も期待できる
- 激しい価格下落やコスト上昇などのリスクも存在するため、分散投資が重要