半導体業界は、第4次産業革命を担う重要な産業と注目されています。半導体投資において、驚異的なリターンをあげている「野村 世界業種別投資シリーズ(半導体) インデックス」について株価、今後の予想、組入銘柄等、詳しく解説していきます。半導体への投資に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 半導体市場の歴史と「第4の波」
半導体市場の過去の発展
半導体市場は長い歴史を持ち、過去には「第1の波」、そして「第2の波」、そして「第3の波」が訪れました。
1980年代には、大型コンピューターが主力となり、これを受けて半導体市場は「第1の波」を迎えました。
パソコンやインターネットの普及によって、その後「第2の波」が押し寄せ、更にはスマートフォンやデータセンター、クラウドの需要が増加し、「第3の波」がやってきました。
「第4の波」の到来
そして、2020年からは人工知能（AI）やモノのインターネット（IoT）の発展により、「第4の波」と呼ばれる新たな成長サイクルが始まりました。
半導体市場はこの「第4の波」に乗って、更なる成長の可能性を見出しています。
成長のポテンシャル
市場関係者の予測によれば、半導体市場は今後も高い成長率で拡大し続けるとされています。過去50年間のデータを振り返ると、半導体市場は世界のGDP成長率の2〜3倍のペースで成長してきました。
将来的には現在の市場規模の約10倍にあたる1兆ドルへの拡大が予想されています。
イノベーションの重要性
「第4の波」による半導体市場の成長は、新たなイノベーションによって支えられています。
ただし、過去の経験から、イノベーションが始まった当初はそのポテンシャルが過小評価されがちであるという点に注意が必要です。
パソコンやインターネット、スマートフォンの登場時には多くの人々が疑問や不信感を抱いたものですが、結果的にこれらの技術は私たちの生活に大きな変革をもたらしました。
このように、「第4の波」による半導体市場の成長にはまだまだ大きなポテンシャルがあると言えるでしょう。
新たな時代の到来に対応するため、投資家はデジタル半導体やAI関連の銘柄に注目し、成長を期待しています。
2. 半導体企業の特徴と成長機会
半導体企業は、独自の特徴や成長機会により、注目を浴びています。以下に、半導体企業が持つ特徴と成長機会について解説していきます。
2.1 参入障壁の高さと巨額の設備投資
半導体企業の特徴の一つは、参入障壁の高さです。新規企業が市場に参入するには、数兆円という巨額の設備投資や特許保有などの要件をクリアする必要があります。
このため、既存の大手企業がより強い利益を得て、市場を席巻する傾向があります。
特に、メモリー半導体市場では企業の淘汰が進み、利益の獲得が容易になっています。市場の拡大も相まって、企業の利益は一層増加しています。
2.2 在庫循環と半導体市況の関係
半導体市場には、需要と供給のギャップによる在庫循環のサイクルが存在します。このため、3〜4年ごとに拡大と調整のサイクルが繰り返されてきました。
投資ファンドは、在庫循環に着目し、半導体メーカーや卸売業者、最終顧客の在庫を観察することで、超過収益を得ることができます。
好業績であっても在庫が増えているタイミングでは、投資ファンドはその株式の保有ウェイトを減らすなどの措置を取ります。
このように、在庫循環に注目することでファンドは有望な投資機会を見つけ出しています。
2.3 成長機会とAI・IoTの発展
半導体市場における成長機会は、AI（人工知能）やIoT（モノのインターネット）の発展によって大きく広がっています。
半導体市場の歴史には、メインフレームやパソコン、スマートフォンなど様々な「波」がありましたが、2020年からはAIやIoTによる「第4の波」が始まったと言われています。
これにより、半導体市場は新たな成長サイクルに入り、今後も高い成長が見込まれています。特にAIの普及によって、半導体への需要がさらに拡大することが期待されます。
以上が、半導体企業の特徴と成長機会に関する解説です。半導体市場は常に変動していますが、参入障壁の高さや在庫循環に注目することで、投資ファンドは有望な企業を選択し、優位性を確保することができます。
また、AIやIoTの発展により、半導体市場の未来も非常に明るいです。
3. 「野村 世界業種別投資シリーズ(半導体) インデックス」とは
「野村 世界業種別投資シリーズ(半導体インデックス)」は、野村アセットマネジメントが運用している投資信託の一つです。
このファンドは、半導体関連の企業株式に特化したポートフォリオを組み、世界中の半導体業界の成長を追求します。
このファンドはアクティブ型の運用スタイルを採用しており、長期的な視点で各国・地域のマクロ投資環境を考慮しながら、企業の技術力、価格決定力、利益構造、財務内容などを分析し、銘柄の組入れを行っています。
3.1 特徴
【特徴】
– 長期的な視点で半導体関連企業の成長を追求
– ポートフォリオの組入れはアクティブ型でマクロ投資環境を考慮
– ファンダメンタルズ分析に基づいた銘柄選定
– 「半導体」の需要拡大の波に乗り、成長を狙う
【ポートフォリオの特徴】
– 組入銘柄は世界の半導体企業に特化
– 上位銘柄はAI半導体のリーディングカンパニーであるエヌビディア
– その他にも通信インフラ向け半導体のブロードコムや、半導体受託生産会社の台湾セミコンダクターなどが組入れ
このファンドは新NISA（成⻑投資枠）の対象となっており、非課税で資産を形成することができます。
半導体市場は常に変動しており、投資のタイミングや業績の底打ちを見極めることが重要です。
野村アセットマネジメントのシニア・ポートフォリオマネジャーである加藤明氏が、長年の経験と知識を活かして、ポートフォリオの組成に取り組んでいます。
このファンドの特徴は、半導体市場の成長性と需要拡大の波に乗る運用戦略、長期的な運用期間となっています。
3.2 野村 世界業種別投資シリーズ(半導体) インデックスの組入銘柄
このファンドの上位組入銘柄、国・地域別配分は以下の通りです。
エヌビディアを中心とした、アメリカ企業が中心となっていることが、よくわかります。
3.3 野村 世界業種別投資シリーズ(半導体) インデックスの実績
２０２４年６月末時点で過去１年間のトータルリターンでランキングする（レバレッジ型、通貨選択型を除く）と、トップとなっています。
【1年トータルリターン】
103.08％（2024年6月末）
【信託報酬】
信託報酬は1.65%
【設定日】
2009年8月27日
この投資信託は、運用期間が約16年と長期的な運用を行っており、半導体関連の成長に乗ることを目指しています。
4. 運用プロセスと独自の投資アプローチ
4.1 概要
半導体市場に投資する際、野村 世界業種別投資シリーズ（半導体) インデックスは独自の運用プロセスと投資アプローチを採用しています。ここでは、その詳細をご紹介します。
4.2 運用プロセス
野村アセットマネジメントは、半期や四半期ごとに半導体企業を訪問して情報を収集しています。特に在庫状況や出荷の適正性に注目しながら、企業の業績回復の確信度を高めることに力を入れています。また、半導体企業の経営戦略やAIやIoTなどの新たな流れにどう乗っていくのかにも注目し、情報収集を行っています。
4.3 独自の投資アプローチ
野村 世界業種別投資シリーズ（半導体インデックス）は、アクティブファンドの一つであり、ファンドマネジャーやアナリストが企業を調査して組入銘柄を選定しています。
このアプローチによって、半導体市場の成長に関する確信や見込みが高まり、アップサイドが期待できる有望企業へ効率よく投資が行われます。
4.4 ファンドのファンドの特徴とホームページ掲載
野村アセットマネジメントは、運用チームのクオリティを重視し、運用者の情報を積極的に開示しています。
ホームページには、ファンドマネジャーがどのような考え方や思いを持っているかなどが掲載されており、投資家に安心感を与えています。
4.5 デジタル半導体とアナログ半導体への対応
半導体市場には、デジタル半導体とアナログ半導体の2つのカテゴリが存在します。
野村 世界業種別投資シリーズ（半導体インデックス）では、この2つのカテゴリに注目し、適切な投資対象を選定しています。現在、デジタル半導体の中でもAI向けが好調であり、需要が増加しています。
一方、アナログ半導体は自動車や産業機械などに需要があり、成長の潜在力があります。
4.6 運用の難しさと注意点
半導体市場の運用においては、適切な投資のタイミングが非常に重要です。半導体企業の株価は業績に対して遅行する傾向があり、業績の底打ちを見極めることが必要です。
また、業績が好調であっても伸びが鈍化すると株価が下落することもあります。絶えず変化する市況や新しいトレンドにも冷静に対応することが大切です。
以上が野村 世界業種別投資シリーズ(半導体）インデックスの運用プロセスと独自の投資アプローチについての解説です。
このファンドを通じて、半導体市場の成長に参加することができるでしょう。
まとめ
半導体市場は今後も高い成長が期待されており、「第4の波」と呼ばれる新たな成長サイクルが始まっています。野村 世界業種別投資シリーズ（半導体 インデックス ）は、この成長機会を捉えるべく、長期的な視点から企業の厳選を行い、運用を行っています。
デジタル半導体からアナログ半導体まで幅広く注目し、適切な投資タイミングを見極めながら、半導体市場の拡大に参加することができます。
一方で、半導体市場は変動が激しいため、慎重な投資姿勢が求められます。投資家は手数料にも留意しつつ、自身のリスク許容度に応じて、このファンドを検討することが望ましいでしょう。
