このブログでは、2024年7月に新規上場した「グローバルX ウラニウムビジネスETF」について詳しく解説しています。
ウラン採掘や原子力関連産業に特化した投資商品として注目を集めるこのETFの仕組み、構成企業、設立の目的などを丁寧に説明しています。
また、需要増大に伴い今後のパフォーマンスも期待大です。
- 224Aとは
- 224A設定のねらい
- 224A今後の見通し
1. グローバルX ウラニウムビジネスETF(224A)とは
ETFの基本情報
「グローバルX ウラニウムビジネスETF」(銘柄コード:224A)は、2024年7月25日に新規上場の上場投資信託(ETF)です。
主にウラン採掘及び原子力関連部品の製造に従事する企業に投資し、持続可能なエネルギーの未来を見据えた成長が期待されています。
このETFは、クリーンエネルギーへのシフトを背景に、原子力発電への注目が高まる中、エネルギー安全保障という観点からも注目される存在です。
投資戦略と目的
当ファンドの投資戦略は、ウラン業界に特化した企業群を対象とし、「Solactive Global Uranium & Nuclear Components Total Return Index」と連動することを目指しています。
この指数は、先進国および新興国(中国、インド、台湾を除く)のウラン関連企業から構成されています。
グローバルな視点で、クリーンエネルギーの普及が進む中、ウラン関連事業の成長ポテンシャルを捉えることが本ETFの目的となります。
新たな投資アクセスの提供
このETFの最大の特徴は、ウラン関連のテーマに特化した投資機会を提供することです。
これまでこのようなテーマに焦点を当てたETFは存在しておらず、投資家にとって新たなアクセスを実現します。
特に、ウラン市場の動向や原子力発電の普及に伴う需要の増加が期待される中で、長期的な成長が見込まれる分野への投資が可能となります。
信託報酬と管理運営
グローバルX ウラニウムビジネスETFは、信託報酬が0.715%(税込0.7175%)以内に設定されており、投資家がコストを抑えた上での資産運用が期待できます。
ファンドの運営は、ETF専門の資産運用会社であるGlobal X Japan株式会社が行っており、しっかりとしたマネジメント体制が敷かれています。
このように、グローバルX ウラニウムビジネスETFは、ウラン関連事業へのシンプルかつ効率的な投資手段として、新しい選択肢を投資家に提供します。
2. 指数の概要と選定プロセス
指数の目的
グローバルX ウラニウムビジネスETFは、「Solactive Global Uranium & Nuclear Components Total Return Index」に連動した投資成果の実現を目指しています。
下記は「Solactive Global Uranium & Nuclear Components Total Return Index」のパフォーマンスです。
非常に高いパフォーマンスを発揮しています。
銘柄選定基準
指数に含まれる銘柄は、厳格な基準をもとに選定されます。主要な選定基準は以下の通りです。
- 地域要件
中国、インド、台湾を除く先進国及び新興国に上場する企業が対象です。 - 企業の分類
対象銘柄は主に「純粋プレイ企業」と「非純粋プレイ企業」に分けられ、さらに原子力部品の製造企業も選定対象に含まれます。 - 市場価値と流動性
銘柄の浮動株時価総額は、指数に組入れられる場合は3,000万ドル以上、非組入れの場合は5,000万ドル以上必要です。また、日次の平均売買高は、指数組入れの場合5万ドル以上、非組入れの場合10万ドル以上が求められます。
純粋プレイ企業についてこちらもご覧ください。
選定プロセスの詳細
銘柄の選定は以下のように進められます。
- 純粋プレイ企業の選定
投資候補からは、全ての純粋プレイ企業が自動的に指数に組み込まれます。 - 非純粋プレイ企業および原子力部品メーカーの選定
このカテゴリに属する銘柄は、最大15銘柄まで選定可能です。各企業の組入比率は、浮動株時価総額と流動性に基づいて算出されます。 - ウェイト付けの規則
非純粋プレイ企業および原子力部品メーカーには、それぞれ最大2%のウェイト制限が設けられています。一方で、純粋プレイ企業は上限22.5%の構成比率が認められています。
更新及び見直しの方針
この指数は年に2回(1月と7月)に構成銘柄の見直しを行い、また年4回(1月・4月・7月・10月)に各銘柄の構成比率を見直します。
これにより、流動性や市場の状況に応じた適切な調整が実施されることにより、指数は市場の最新のトレンドを反映することを目指します。
3. 投資対象企業の種類
グローバルX ウラニウムビジネスETF(224A)は、ウラン産業に関連する企業に重点を置いた投資信託です。
このセクションでは、投資対象となる企業の種類について詳しく解説します。
ウラン採掘企業
このETFの主な投資対象の一つが、ウランを採掘する企業です。
ウランは原子力発電の重要な燃料であり、需給の変動に左右される市場です。
原子力関連部品メーカー
ウランを直接採掘する企業に加え、原子力発電所で使用される各種部品を製造するメーカーも投資対象となっています。
これには、炉心コンポーネント、放射線防護装置、冷却システムなど、多岐にわたる製品が含まれます。
これらの部品は、原子力発電の安全性と効率性を高めるために不可欠です。
NON-PURE PLAY COMPANIES
当ETFには、ウランや原子力関連事業に直接関与しない企業、通称NON-PURE PLAY COMPANIESも含まれています。
これらの企業は、関連産業の一部として、重要な役割を果たす可能性があります。
例としては、エネルギー総合企業や、化学製品を扱う企業が考えられます。
投資戦略と企業選定の基準
ウランビジネスETFは、エネルギー市場の変化を反映しながら、特定の基準に基づいて企業を選定しています。
具体的には、企業の財務状況や市場でのポジション、業界での競争力が重視されます。
さらに、浮動株時価総額や流動性も選定基準に組み込まれており、投資の安定性やリスク管理が考慮されています。
これらの企業は、クリーンエネルギーへの移行を背景に、今後の成長が期待されるセクターで構成されているため、投資家にとって魅力的な選択肢となることでしょう。
224Aの組入銘柄
当ファンドの上位10銘柄の一覧です(2024年6月28日時点)
カメコは、世界的なウラン採掘企業ですが、ウランの採掘だけでなく、精製、転換および濃縮など幅広く行っています。
4. ファンド設定のねらい
投資の多様化を目指して
このファンドは、ウラニウムの需要が急増する中で、投資家に対する多様な選択肢を提供することを目的としています。
- ウラニウムを燃料とする原子力発電は、CO2の排出量が少なく、温室効果ガスを排出しない、クリーンなエネルギーとして再評価されています。
- ロシアによるウクライナ侵攻の長期化で、エネルギー安全保障の重要性からも原子力発電が再評価されています。
- 代表的な生成AIである「ChatGPT」は、1回の利用でGoogle検索の10倍近く電力を消費します。
以上のように、「脱炭素」「脱ロシア依存」「生成AI普及」を追い風にウラニウム重要は高まる見通しです。
パフォーマンスの予測
今後のパフォーマンスにも期待が持てます。
5. リスクと費用
投資リスク
グローバルX ウラニウムビジネスETFはさまざまなリスクを伴いますので、投資家はその特性を理解する必要があります。
このファンドが投資する資産は市場の変動に直接影響を受けるため、基準価額が変動するリスクがあります。具体的には以下のような要因があります。
- 価格変動リスク: 投資対象の株価が変動することにより、ファンドの基準価額も変動します。特に、原子力関連ビジネスやウラン市場は外部要因によって大きく影響される可能性があります。
- 為替リスク: 為替レートの変動も投資のリターンに影響を及ぼす可能性があります。特に国際的に展開する企業に投資する場合、外国通貨の為替リスクが伴います。
- カントリーリスク: 投資対象が特定の地域や国に依存している場合、政治的・経済的な不安定さが影響を与える可能性があります。
投資対象によるリスクの変化
ウラニウムや原子力は、エネルギー市場の変化に伴い注目されていますが、それに伴うリスクも変動します。
例えば、環境政策の変更や新たな技術の導入が市場に影響を及ぼすことがあります。これにより、短期的なボラティリティが発生することもあるため、長期的な視点での投資が求められます。
グローバルX 224A について総括
- 224Aは、ウラン採掘や原子力関連部品の製造企業に注目した新しいETF
- ベンチマークの指数は、高いパフォーマンス
- 「脱炭素」「脱ロシア依存」「生成AI普及」を追い風にウラニウム重要は今後一層高まる見通し
- 長期的な成長が見込まれる一方で、短期的な変動にも注意を払う必要がある