半導体投資に興味がある方必見!野村世界半導体株投資ファンドとSOX指数のパフォーマンスを徹底比較。また、構成銘柄の比率の違いを含め、リスクと魅力を解説します。
本ブログでは、半導体産業の概要からリスク要因に至るまで成長性高い半導体市場で賢く投資するコツを学びましょう。
記事のポイント
- 半導体産業とは
- SOX指数とは
- 野村半導体の特性(リスクとリターン)
- 短期パフォーマンスと長期パフォーマンス
1. 半導体産業の概要
半導体の役割と重要性
半導体は、現代のテクノロジーにおいて欠かせない素材であり、さまざまな電子機器の中核を成しています。スマートフォンやコンピュータから自動車、さらには社会インフラに至るまで、半導体は私たちの日常生活に深く根付いています。
このため、半導体産業は経済の成長を支える重要な要素とされています。
シリコンサイクルの特性
半導体産業には「シリコンサイクル」と呼ばれる景気循環が存在します。
このサイクルは、技術革新や市場の需要変動に基づいて、数年ごとに拡大と縮小を繰り返します。
通常このサイクルは3~4年ごとに発生し、需要と供給のバランスが崩れることによって生じることが特徴です。
半導体市場の歴史的背景
半導体市場は1980年代に始まり、当初はメインフレーム向けの大型コンピュータが拡大の牽引役となりました。
90年代にはパソコンやインターネットの普及、2000年代にはスマートフォンやデータセンターによる需要が増加し、
各 decade ごとに異なる「波」が生まれました。
最近では、AIやIoTといった新しい技術の進展により、半導体市場は新たな成長サイクルに突入しています。
産業の多様性と応用
半導体産業は、多岐にわたる用途を持つため、非常に多様です。
主なセグメントとしては、デジタル半導体とアナログ半導体があります。
デジタル半導体は、AIや一般データセンター、スマートフォン向けに使用され、アナログ半導体は自動車や産業機械に特化しています。
このように、半導体は用途に応じたさまざまな製品が存在し、日々進化を続けています。
技術革新の加速
近年、AIやIoTの進展に伴い、半導体技術も急速に進化しています。
これにより、高度なプロセッサや新しい素材の開発が進んでおり、業界全体に大きな影響を与えています。
特にAIの実用化が進む中、これに対応した高性能な半導体の需要が急増しているため、さらなる技術革新が期待されます。
2. SOX指数とは
SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)は、米国に上場する主要な半導体関連企業を対象とした株価指数です。
この指数は、半導体の設計、製造、流通、販売に関わる銘柄で構成され、投資家にとって半導体産業全体のパフォーマンスを把握するための重要な指標となっています。
構成銘柄と算出方法
SOX指数は米国の証券取引所に上場する主要な半導体関連30銘柄で構成されている株価指数です。
下記が2024年9月リバランス後の同指数の全30銘柄です。
同指数は、時価総額加重平均方式で算出されています。
これは、各銘柄の時価総額が大きいほど指数への寄与度が高くなるため、より大きな企業のパフォーマンスが指数に与える影響が大きいことを意味します。
1位:12% 2位:10% 3位:8% その他は4%
SOX指数のリバランスは、3月・6月・9月・12月の四半期ごとに行われ、毎年9月に組入銘柄の見直しが行われます。
これにより、常に最新の半導体市場を反映する指数として機能します。
SOX指数 20年チャート(月足)
SOX指数のパフォーマンスです(月足:2024年11月1日現在)
引用:Chartpark サイト
2023年から2024年前半にかけて、AI技術の進展が半導体需要を大きく押し上げ、SOX指数自体がナスダック全体の成長をリードする形となりました。
これは、特にNVIDIAなどの企業が顕著な成長を遂げたことと関係があります。
AI関連の需要が急増したことで、半導体産業はまさに成長の波に乗っていると言えるでしょう。
市場での重要性
SOX指数は、投資家が半導体業界の健全性や市場の動向を把握する際の重要なバロメーターとして広く利用されています。
半導体はテクノロジーの根幹をなす要素であり、各種の電子デバイスに用いられるため、その動向はテクノロジー市場全体に対しても大きな影響を及ぼします。
投資対象としての魅力
SOX指数に連動するETFや投資信託は、投資家にとって魅力的な選択肢となっています。
特に、半導体産業の成長を見込む投資家にとって、SOX指数は効果的な投資手段を提供します。
これにより、個人投資家のみならず機関投資家にも広く活用されています。
3. 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)の特徴
投資対象の国際性
野村世界業種別投資シリーズの世界半導体株投資は、その名の通り、世界中の半導体関連企業を対象としたインデックスファンドです。
当ファンドは、「MSCI All Country World Semiconductors & Semiconductor Equipment」
(税引後配当込み・円換算ベース)をベンチマークとしています。
このファンドは、アメリカや日本だけでなく、様々な国から選定された企業に投資することが特徴です。
これにより、投資家はグローバルな視点で半導体市場の成長を目指すことができます。
アクティブファンドとしての特性
このファンドは、単にインデックスに従うのではなく、アクティブ運用を行っています。
運用チームは、市場環境や各企業のファンダメンタルズを考慮しつつ、投資対象を選択します。
そのため、信託報酬は1.6500%と他のパッシブファンドよりも高めですが、これによるリターンの向上が期待されます。
野村半導体の銘柄選定のプロセス
運用にあたるシニア・ポートフォリオマネジャーは、各国のマクロ経済状況を考慮した上で、技術力、価格決定能力、利益構造、財務状況など多角的な視点から銘柄を選定しています。
以下、上位組入銘柄です(2024年10月31日時点)。
1 | NVDA |
エヌビディア
|
電子機器・部品 | 29.80% |
2 | AVGO |
ブロードコム
|
半導体 | 14.10% |
3 | QCOM |
クアルコム
|
コンピュータ・通信機 | 5.50% |
4 | ASML |
ASML ホールディング NYRS
|
精密機器 | 5.40% |
5 | AMAT |
アプライド マテリアルズ
|
電子機器・部品 | 5.10% |
6 | MRVL |
マーベル テクノロジー
|
電子機器・部品 | 4.50% |
7 | KLAC |
KLA
|
精密機器 | 4.40% |
8 | LRCX |
ラム リサーチ
|
電子機器・部品 | 3.20% |
構成銘柄の比率の上限がないことによって、エヌビディアの構成比は29.80%を占めるにいたっており、その影響力は計り知れません。
野村半導体のチャート
このファンドは、2009年 8月27日設定以来約15年の運用歴があり、その間に様々なテクノロジー関連のテーマが浮上してきましたが、半導体の需要は常に強い成長を示してきました。
毎年分配金も出ています。
設定来のチャート(2024年11月22日時点)です。
引用:みんかぶ サイト
2009年8月27日に運用を開始以来、2021年11月5日には基準価額(分配金再投資含む)が10万円を超えいわゆる価格が10倍以上になる「テンバガー」を達成しました。
さらに2024年2月26日には20万円を突破しました。
大型テクノロジー企業への強い依存
ファンドの組入銘柄には、多くの著名な半導体関連企業が含まれていますが。
構成比率1位の米国のエヌビディアは、ポートフォリオの約30%を占めています。
これは、圧倒的なエヌビディアへの依存を表しています。
4. 野村半導体ファンドとSOX リターン比較
野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)とSOX指数のパフォーマンスを比較していきます。
2023年3月31日から2024年11月22日までのパフォーマンス比較
SOX指数を保有するには、投資信託、ETF等ありますが、ここでは運用期間の長い
「ニッセイSOX指数インデックスファンド(米国半導体株)」で代用して比較します。
2023年3月31日(ニッセイSOX設定日)から2024年11月22日までの比較です。
青:野村半導体ファンド 赤:ニッセイSOX指数インデックスファンド
約1年半では野村半導体ファンドがSOXを圧倒しています。
2009年9月から2024年7月までのパフォーマンス比較
比較期間を約15年で見てみましょう。
2009年9月から下図は月ごとのリターン比較です。
15年の長期になるとSOX指数のリターンが勝ります。
推察(リターン比較)
過去1年半のリターン 野村半導体ファンド>SOX指数
過去15年のリターン 野村半導体ファンド<SOX指数
以上のような結果になりましたが、これはエヌビディアの構成比率が関係してると思います。
まず、過去1年半でエヌビディアは400%ほど上昇しました。
野村半導体の構成比率1位のエヌビディアは構成比が29.80%(2024年10月31日時点)あります。(2023年の構成比もそれに近い数字でした)
それに対して、SOX指数の構成比率1位のエヌビディアは比率が現在12%程しかありません。
これは構成比率の上限のためです。
*株価上昇し構成比率が増加しても、四半期ごとのリバランスで12%(1位銘柄の上限)まで見直されます。
2024年4月22日の見直しまでは上位5銘柄の上限は8%でしたので、よりエヌビディアの構成比は低くなっていました。
また、野村半導体ファンド運用期間の前半は、エヌビディアがこれほど高い成長をみせていません。
結論
これらの理由から短期では野村半導体がSOX指数を上回り、長期ではSOX指数が野村半導体を上回ったと思います。
野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)は、最近高いパフォーマンスを実現しましたが、1銘柄(エヌビディア)に大きく依存しています。
これは、高いリターンが期待できる一方、リスクの高さという懸念点があります。
ただでさえ、ボラティリティが高いと言われる半導体投資において、1銘柄が30%付近の構成比をなすファンドは長期投資は難しいと言えるでしょう。
安定的なパフォーマンスを求めるならばSOX指数に連動を目指すファンドを選択することを考えてみてもいいかもしれません。
上記では、運用期間の長い「ニッセイSOX指数インデックスファンド(米国半導体株)」のパフォーマンスを紹介しました(2023年3月31日設定、信託報酬0.1815%)。
信託報酬最安は「楽天・プラス・SOXインデックス・ファンド」になります。
野村半導体 SOX指数 比較 について総括
- 短期パフォーマンス:野村半導体>SOX指数 長期:SOX指数>野村半導体
- 野村半導体の爆発的パフォーマンスは1銘柄(エヌビディア)の成長が寄与
- 野村半導体の構成比率上限なしは大きなリターンと危険性をはらむ
- 安定性を求めるならSOX指数連動ファンドを選択するべき
*投資を検討する際には、自身のリスク許容度に合わせた判断を行うことが重要です。