投資家必見!米国債券ETF「EDV」と「AGG」の比較

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米国の債券ETFの代表的なETFであるEDVとAGGの違いや、EDVの基準価格の推移、分配金の動向など、債券ETFに関する詳細な情報を把握することは重要です。また、EDVと類似のVGLTとの比較や、米国債券ETFの種類と特徴を知ることで、自身の投資目的に合ったETFを選択できるでしょう。本ブログでは、これらの点について丁寧に解説していきます。

1. EDVとAGGの違いについて

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EDVとAGGはどちらも米国の債券ETFですが、いくつかの点で異なる特徴があります。

EDVの特徴

  • EDVは超長期米国債ETFであり、米国の長期国債に投資しています。
  • EDVの基準価格(株価)は過去5年間で-36.64%の下落を示しており、過去の基準価格の推移は非常に変動が激しいことがわかります。
  • 債券価格は利回りと連動しており、利回りが高くなると債券価格は低下します。現在の米国の債券利回りの上昇に伴い、EDVの基準価格(株価)も低くなっていると考えられます。
  • EDVは米国の政策金利の影響を受けやすく、超長期の資産形成においては株式よりもリターンが低くなる可能性があります。
  • EDVの分配金(配当)は定期的に受け取ることができますが、その金額は過去の年平均成長率から見ると減少傾向にあると言えます。

AGGの特徴

  • AGGは米国総合債券ETFであり、幅広い債券にポートフォリオを組んでいます。
  • AGGの基準価格(株価)は安定しており、過去5年間で-8.19%の下落となっています。
  • AGGはEDVと比較してリターンの変動が少なく、安定したインカムを得ることができます。
  • AGGの分配金(配当)も定期的に受け取ることができますが、EDVに比べて分配金の増配率は低いです。

EDVとAGGはそれぞれの特徴によって異なる投資ニーズに応えることができます。投資家は自身のリスク許容度や投資目標に合わせて適切なETFを選択することが重要です。

2. EDVの基準価格(株価)の推移

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EDVの基準価格(株価)は、過去のデータをもとに推移しています。EDVの基準価格(株価)は黄色で表示されており、過去1年間や長期的に見ると、上下に大きく変動していることが分かります。

過去1年間の変動

EDVの基準価格(株価)は過去1年間で大きな変動があります。一部の期間においては上昇や下降が見られます。これは、債券の残存期間や市場の動向などによって影響を受けるためです。

例えば、EDVの基準価格は一時的に上昇することもあります。これは、金利の低下や市場の不安感が高まると、債券を保有する投資家が増えるためです。

逆に、金利の上昇や市場の安定感が高まると、債券から他の投資先へ資金が移動するため、EDVの基準価格が下落する可能性があります。

長期的な変動

EDVの基準価格(株価)は長期的に見ると、上下に大きく変動しています。債券の利回りの上昇や残存期間の長さによって値動きが激しくなることもあります。

例えば、長期債券の基準価格は、一般的に利回りの上昇に反応して下落する傾向があります。これは、利回りが上昇すると、現在の債券の価値が相対的に低くなるためです。

また、債券の残存期間が長い場合、将来の金利変動によって価値が大きく変わる可能性があるため、基準価格が不安定になることもあります。

EDVの基準価格(株価)の変動は、債券の特性から安定性を持っている一方、市場の変動や債券の要因によって影響を受けることもあります。

投資を考える際には、適切なタイミングやリスクを注意深く判断する必要があります。

3. EDVの分配金(配当)について

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EDVの分配金(配当)は、EDVが保有する債券から得られる利回りに基づいて計算されます。以下にEDVの分配金(配当)に関する情報をまとめました。

EDVの分配金(配当)額の推移

以下は過去のEDVの分配金(配当)額です。

  • 2024年4月: $0.7685
  • 2023年12月: $0.7370
  • 2023年10月: $0.7370
  • 2023年07月: $0.7260
  • 2023年04月: $0.6740

EDVの分配金利回り(配当利回り)の推移

EDVの分配金利回り(配当利回り)は、EDVの分配金(配当)を基準価格(株価)に対して計算した割合です。

2024年3月28日時点でのEDVの分配金利回りは3.88%です。

EDVの分配金(配当)の増配率

EDVは債券ETFであり、株式ETFとは異なり増配を行いません。EDVの分配金(配当)は、保有する債券の利回りによって影響を受けます。

EDVの分配金(配当)の年平均成長率 (CAGR)

過去の各年の分配金(配当)の額から、EDVの2023年までの年平均成長率 (CAGR)を求めました。これにより、EDVの分配金(配当)が長期的には減少傾向にあることが分かりますが、近年では増加しているようです。また、一部の年にはキャピタル・ゲインによる特別配当が含まれています。

以上がEDVの分配金(配当)に関する情報です。次はEDVとVGLTの比較について見ていきましょう。

4. EDVとVGLTの比較

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EDVとVGLTはどのような違いがあるのでしょうか。以下では両者を詳しく比較していきましょう。

基本情報の比較

まずは両ETFの基本情報を比較してみます。

EDVの基本情報

  • 名称: バンガード・超長期米国債ETF (EDV)
  • 運用会社: バンガード社
  • カテゴリ: 米国長期債券
  • 市場: NYSE ARCA
  • 運用: インデックス運用
  • ベンチマーク: Bloomberg U.S. Treasury Stripes 20-30 Year Equity Index
  • 設定日: 2007/12/06
  • 経費率: 0.06%
  • 分配金の支払い頻度: 四半期ごと (4, 7, 10, 12月)

VGLTの基本情報

  • 名称: バンガード・米国長期国債ETF (VGLT)
  • 運用会社: バンガード社
  • カテゴリ: 米国長期債券
  • 市場: NASDAQ GM
  • 運用: インデックス運用
  • ベンチマーク: Spliced Bloomberg U.S. Long Treasury Index
  • 設定日: 2009/11/23
  • 経費率: 0.04%
  • 分配金の支払い頻度: 毎月

両者はバンガード社が運営しているETFで、米国の長期債券に投資しています。設定日の古さや経費率の低さなどは共通しています。

ベンチマークの違い

EDVとVGLTの大きな違いは、それぞれの連動指数です。

EDVはBloomberg U.S. Treasury Stripes 20-30 Year Equity Indexに連動しており、一方のVGLTはSpliced Bloomberg U.S. Long Treasury Indexに連動しています。

分配金の比較

次に、EDVとVGLTの分配金の比較を行いましょう。

以下の表は両者の年次の分配金を比較したものです。

VGLT EDV
2023 $2.0484 $2.8749
2022 $1.7471 $2.7150
2021 $1.6269 $2.7353
2020 $2.0590 $8.4439
2019 $2.0519 $4.5565
2018 $2.0266 $3.2958
2017 $1.9871 $3.5330
2016 $1.9790 $5.8216
2015 $2.3927 $4.8050
2014 $2.1400 $3.8700
2013 $2.0420 $4.4670
2012 $2.2750 $8.7430
2011 $2.3260 $6.2420
2010 $2.2430 $3.8680

観察すると、EDVの分配金の方が一般にVGLTよりも高いことがわかります。

増配率の比較

最後に増配率の比較を行いましょう。

増配率は年間での分配金の変化を示します。以下はEDVとVGLTの増配率の比較です。

VGLT EDV
2023 17.2% 5.9%
2022 7.4% -0.7%
2021 -21.0% -67.6%
2020 0.3% 85.3%
2019 1.2% 38.3%
2018 2.0% -6.7%
2017 0.4% -39.3%
2016 -17.3% 21.2%
2015 11.8% 24.2%
2014 4.8% -13.4%
2013 -10.2% -48.9%
2012 -2.2% 40.1%
2011 3.7% 61.4%
2010 743.2% -74.6%

増配率を見ると、両者ともにマイナスに振れる年が多いことがわかります。ただし、EDVには特別分配金が支払われる期間があり、そのときは分配金が大きく伸びる傾向があります。

以上の比較から、EDVとVGLTの違いが明らかになってきました。それぞれの特徴やリターンの違いを考慮して、自身の投資目的やリスク許容度に合わせて選択することが重要です。

5.EDV AGG VGLT パフォーマンス比較

以下のグラフ(TradingViewよりの引用)は、EDV、AGG、VGLTの2008年からの2024年6月末までのパフォーマンス比較です。

AGGが比較的安定しているのがわかります。

EDV、VGLTは2020年のコロナショック時の上昇が大きいなど、価格変動が大きいことがわかります。

5. 米国債券ETFの種類と特徴

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米国債券ETFには様々な種類があります。それぞれの特徴や運用方針によって投資家に合った選択が可能です。以下にいくつかの米国債券ETFの種類と特徴をまとめました。

5.1 短期債券を中心としたETF

  • BIL(SPDRバークレイズ米国1-3年債券ETF):短期債券を中心に組成されており、安定的な収益を追求するETFです。短期債券の利息による収益を重視するため、リスクが比較的低いとされています。

5.2 長期債券を中心としたETF

  • TLT(iシェアーズ米国20年債券ETF):長期債券を中心に組成されており、長期的な資金形成を目指す投資家に適しています。株価の乱高下がある場合でも、安定した収益を追求することができます。

5.3 総合的な組入れを行ったETF

  • BND(バンガード米国トータル債券市場ETF):短期・中期・長期の米国債券など、幅広い種類の債券をバランスよく組み入れています。値動きが比較的少なく、安定した収益を追求することができます。

5.4 インフレヘッジを目的としたETF

  • TIP(iシェアーズ米国 TIPS ETF):インフレヘッジを目的として、米国のインフレ連動国債(TIPS)に投資しています。インフレ率の変動に応じて利回りが調整されるため、インフレリスクをヘッジするための選択肢として人気があります。

以上が一部の米国債券ETFの種類と特徴です。投資家のリスク許容度や目的に応じて適切なETFを選ぶことが重要です。米国債券ETFは安定的な収益を追求するための選択肢として人気がありますが、投資の際には自身の投資目標やリスク許容度を考慮し、適切なポートフォリオを構築することが大切です。

まとめ

本記事では、EDVとAGGという2つの米国債券ETFの特徴や違いについて詳しく解説しました。EDVは超長期の米国国債に投資し、価格変動が大きいのに対し、AGGは幅広い債券にポートフォリオを組み、より安定的なリターンが期待できます。

また、EDVとVGLTの比較も行い、ベンチマークの違いやリスク・リターンの差異を確認しました。さらに、米国債券ETFの代表的な種類と特徴についても概観しました。投資家は自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、適切なETFを選択することが重要です。